今回は都会は油断がならない、というお話です。
5年ほど前、学会に参加するために春の横浜を訪れた時のことです。
中華街にも行きたいなあ、近くの横浜球場によって野球を見るのも面白いかも…新幹線から乗り換えた電車の中では、学会のことよりも遊山のことで頭がいっぱいになっていました。
すわ物取りか?と身構えたところ、人影は歩道に崩れ落ちて地面を頭をぶつけ ごつん という鈍い音が周りに響きました。
一瞬状況がよくわからない小生、田舎から都会に出てきて、いきなり何?といぶかしく思いながらその人物に近づきました。
中肉中背の50歳前後の男性、紫色に腫れてところどころ血のにじむ顔面の中にかろうじて見開いているうつろな目が見えました。たちの悪いごろまき(死語)にやられたのか?
「どうしました?大丈夫??」
と声をかけましたが、息をしていない!
現場の住所を伝えてもらった上で、病状に関しての質問は交代で小生が電話に出てお話ししました。曰く
”JCSの30で、両側橈骨動脈の拍動あり、心拍78、整、自発呼吸あり、口腔内吐物なし。顔面に殴打された痕跡あるが、四肢に骨折はなさそう”
などと状況を説明。
5分ほどして救急車が見えてきたところで、じゃあとはお願い、とサラリーマンに託して逃げるように路地を走り現場を離れました。
やっと田舎から出てきた学会出張の最中、で参考人として事情聴取されてはたまらない、と思ったからです。5分ほど歩いてホテルについてほっ一息つきましたが、まいったまいった。
当地水原の街頭で心肺蘇生の必要な人には、いままでもあったことがないし、これからもまず出会わないだろうと思います。
駅について5分で急患(傷害が原因?)に遭うとは、都会はやっぱり怖い、と童話の”田舎の鼠”のようにため息をつきながら、タバコ臭いシングルルームのベッドに腰掛け、コンビニで買った梅酒を飲んで寝てしまいました。
※ それからはマウストゥマウス用の携帯型アダプターを身に着けておくようになりました。治にあって乱を忘れず(杞憂かもしれませんが)。でもこれを使うような状況にはもう遭遇したくないなあ…
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