12月27日(火) 曇
冬の冷え込みが厳しく、朝は路面が凍結するようになりました。
当院の駐車場も凍結することがあり、昨日は小生自身が転倒しました。
幸い臀部の脂肪と受け身をとってけがはありませんでしたが、来院されるみなさまも足元にご注意くださるようお願いいたします。
先日、愛犬ココアを雪の降った庭に解き放ちました。家の中では猫かと思うほど、暖房から離れない犬でしたが、
雪やこんこんの歌のごとく大喜びで庭を駆け回りました。
雪が降ってからは消雪パイプの水が飛び散り濡れるため、散歩させられずにいたので、欣喜雀躍するココアを見ながら飼い主としても満足しました。
ただ、その後、全身に無数の草の実が付着し、それを手作業でひとつひとつ除いてからシャンプーするのにものすごく手間取りました…。次はもっと雪が積もってからにしよう、と学習しました。
今回は腫瘍による不明熱のお話です。
※ 「不明熱とは: 38.3℃以上の発熱が3週間以上続き、病院での1週間以上の入院精査でも診断がつかないもの」
******************
小生がまだ病院勤務の頃のお話しです。
タバコ吸いで酒飲みの壮年男性が、
咽頭痛と1週間続く38度台の熱を訴えて病院の外来を受診。
近所の医院でもらった風邪薬が全く効かないと不満気でした。体表のリンパ節の腫脹はなく、採血すると確かに白血球数、CRPといった炎症反応は高値で、当初細菌感染を疑って即入院となりました。
入院後、抗生物質を点滴しても1週間発熱が続きました。
それをうけて結核の他、自己免疫病や甲状腺ホルモンのチェック、胸部~腹部・骨盤腔のCTや全身ガリウムシンチグラフィーという検査を行い、悪性腫瘍のスクリーニングを行いました。
入院のしばらく前に検診を受け、胃のバリウム検査は異常なしと言われたとのことで、声がかすれてのども痛いというので胃カメラは行いませんでした。
ガリウムシンチ以外調べた検査はことごとく陰性で、入院2週後にようやくガリウムシンチの結果が出ました。
なんと頸部に異常集積あり、すわ何事かと頸部CTを取った所、咽頭部に壁の肥厚と深部リンパ節の腫大を認め、咽頭癌と診断、すぐに耳鼻科に転科となりました。
後から考えれば、咽頭痛や嗄声といった所見から頸部の異常を疑うべきだったのですが、経口摂取も可能で、3か月前の検診で胃のバリウム検査異常なしという情報が予断を生じさせました。
小生のおはこの ”胃カメラ” をやっていたら、外来で診断可能だったのかもしれません。
日常診療の落とし穴を反省させられた症例です。
なお咽頭癌の右の画像は以下より引用させていただきましたhttp://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/kaintouhtml.html
冬の冷え込みが厳しく、朝は路面が凍結するようになりました。
当院の駐車場も凍結することがあり、昨日は小生自身が転倒しました。
幸い臀部の脂肪と受け身をとってけがはありませんでしたが、来院されるみなさまも足元にご注意くださるようお願いいたします。
先日、愛犬ココアを雪の降った庭に解き放ちました。家の中では猫かと思うほど、暖房から離れない犬でしたが、
雪やこんこんの歌のごとく大喜びで庭を駆け回りました。
雪が降ってからは消雪パイプの水が飛び散り濡れるため、散歩させられずにいたので、欣喜雀躍するココアを見ながら飼い主としても満足しました。
ただ、その後、全身に無数の草の実が付着し、それを手作業でひとつひとつ除いてからシャンプーするのにものすごく手間取りました…。次はもっと雪が積もってからにしよう、と学習しました。
今回は腫瘍による不明熱のお話です。
※ 「不明熱とは: 38.3℃以上の発熱が3週間以上続き、病院での1週間以上の入院精査でも診断がつかないもの」
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小生がまだ病院勤務の頃のお話しです。
タバコ吸いで酒飲みの壮年男性が、
咽頭痛と1週間続く38度台の熱を訴えて病院の外来を受診。
近所の医院でもらった風邪薬が全く効かないと不満気でした。体表のリンパ節の腫脹はなく、採血すると確かに白血球数、CRPといった炎症反応は高値で、当初細菌感染を疑って即入院となりました。
入院後、抗生物質を点滴しても1週間発熱が続きました。
それをうけて結核の他、自己免疫病や甲状腺ホルモンのチェック、胸部~腹部・骨盤腔のCTや全身ガリウムシンチグラフィーという検査を行い、悪性腫瘍のスクリーニングを行いました。
入院のしばらく前に検診を受け、胃のバリウム検査は異常なしと言われたとのことで、声がかすれてのども痛いというので胃カメラは行いませんでした。
ガリウムシンチ以外調べた検査はことごとく陰性で、入院2週後にようやくガリウムシンチの結果が出ました。
なんと頸部に異常集積あり、すわ何事かと頸部CTを取った所、咽頭部に壁の肥厚と深部リンパ節の腫大を認め、咽頭癌と診断、すぐに耳鼻科に転科となりました。
後から考えれば、咽頭痛や嗄声といった所見から頸部の異常を疑うべきだったのですが、経口摂取も可能で、3か月前の検診で胃のバリウム検査異常なしという情報が予断を生じさせました。
小生のおはこの ”胃カメラ” をやっていたら、外来で診断可能だったのかもしれません。
日常診療の落とし穴を反省させられた症例です。
なお咽頭癌の右の画像は以下より引用させていただきましたhttp://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/kaintouhtml.html
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