変わらず日中の日差しは厳しいものの、今朝のように朝晩は涼しい日もあります。
未明には地震もあり、寝不足の方もいらっしゃるかと思います。阿賀野市のみなさま、ご機嫌はいかがでしょうか。
今回は甲状腺の病気についてお話します。
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一般にあまり知られていない甲状腺疾患は女性に多いのが特徴です。病気の多くは良性ですがあることが、まれに甲状腺がんがみつかります。
甲状腺は、のど仏の下にあり、気管を囲むように張り付いている蝶のような形の小さな臓器です。
そこで作られる甲状腺ホルモンの機能は、”全身の代謝の調節” です。
ホルモンの分泌が過剰になれば、エネルギーを多く消費するため暑がったり、食べてもやせてしまったりします。
逆に甲状腺ホルモンが減ると不活発になり、倦怠感、集中力の低下、寒がるなどの症状が出ます。画像は以下から引用させていただきました。http://www.medical-tribune.co.jp/kenkou/200209271.html
甲状腺の機能が高まる 「バセドー病」 は20-40代の女性に好発します。
体重減少や動悸(どうき)、息切れ、いらいら、汗をかきやすいなどが主な症状で、眼球が飛び出る症状が象徴的です。薬剤で甲状腺の機能を抑え、症状に応じて、手術や放射線治療を検討します。
甲状腺の機能が低下する病気では 「慢性甲状腺炎(日本人研究者の名前を取って 橋本病)」 とも」 があります。
成人女性の20-30人に1人程度発症し、症状は、寒がりになる、何となくだるい、皮膚が乾燥するなどで進行すると認知症と間違われることもあります。治療は内服による甲状腺ホルモンの補充です。
甲状腺腫瘍にも良性と悪性があり、細胞の形状や特性によって
(1)乳頭(にゅうとう)がん
(2)濾胞(ろほう)がん
(3)未分化がん
(4)髄様(ずいよう)がんに分類されますが、専門的なのでこれ以上細かいことは割愛します。
最近は超音波検査の普及などで、1cm以下の小さな甲状腺腫瘍が見つかるようになってきています。
甲状腺のがんの大半はゆっくり進行し予後もおおむね良いものの、半年か年一度は、大きさの測定や穿刺(せんし)吸引細胞診という精密検査を受けて経過を見守ることが必要です。
当院でも先日、甲状腺のエコーをご希望の、全く無症状の女性が受診し、何の気なしに調べたところ、3cmの腫瘍が見つかり、即専門医に紹介しました。甲状腺の触診で異常はなく、超音波で調べてみないとわかりませんでした。
甲状腺のスクリーニングエコーは5分程度で出来ますので、甲状腺が気になる方は受診時にお申し出ください。
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