2014年7月30日水曜日

「糞尿博士・世界漫遊記」 明治生まれの微生物学者の誇大妄想的目標は 持続可能な宇宙船生活  2012年1月23日 記事

1月23日(月) 雨

 今週からまた冷え込みが厳しくなり、北日本には大雪の恐れがあるとのこと。
 
 雪搔きで悪くした腰がようやく落ち着いてきたのに、また雪搔きかといささかうんざりします。

 さて、今回は書籍の紹介です。

 40年前に出版されたもので、今では古書店にしか無いと思われます。

 高3の時に購入、読んでみて仰天。

 なるほどこのような ”バカ” のつくような情熱的な学者・研究者によって有史以来、発明や技術革新が行われてきたのかと、感銘を受けました。

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糞尿博士・世界漫遊記 中村浩 
現代教養文庫 社会思想社

 今では珍しくなくなった ”環境に優しい生活” とか ”持続可能な社会” といった文言に表される生活様式ですが、微生物学者の著者は、時代を50年先取りしていた人でした。

 微生物を活用し、人類の ”糞尿” を再利用して、その延長線上に宇宙船内での食糧生産までもくろむという壮大な研究を、宇宙開発競争で米ソがしのぎを削る1960年代に行い、その研究成果をひっさげて2つの超大国とヨーロッパで講演旅行をした際の旅行記です。

 明治生まれの著者は今で言う マルチリンガル で、和・漢・独・英・露語を駆使して地球を飛び回ります。

 貧弱な装置や施設をものともせず、みずからを ”糞馬鹿” というほどの、糞尿のリサイクル研究に対する情熱を原動力に、超大国にもひけをとらない研究を行って、終戦後の日本から世界に情報を発信した記録でもあります。

 最近読み直してみて、短期間とはいえ実験・研究を経験した小生も胸が熱くなりました。

 中村博士の時代から半世紀経ち、コンピューターを初めとする機械は格段に進歩しましたが、温暖化現象や、化石燃料からクリーンエネルギーへの転換、そして放射線による環境汚染など問題は山積みで、希有壮大な夢を語るのが難しい時代になってしまいました…。

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