2014年7月29日火曜日

”女をみたら妊娠と思え” 救急現場での金言  2011年8月12日 記事

 8月12日(金)

 当地阿賀野市では朝から曇りのお天気で、猛暑も一休みか?と期待してしまいます。
 明日からお盆、帰省した親族の方々と楽しくお過ごしください。

 今回は女性の急病と妊娠についてのお話です。

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 栄養状況や、女性の初潮の年齢は小学高学年のことも多いようです。未成年でも女性の腹痛は、妊娠の可能性を疑うべき、と研修医時代には叩き込まれました。

ケース 1

 ある夏の休日の夜、病院の救急室に中学2年生の女の子が食思不振、吐き気で母親に連れてこられました。

 見たところ健康で、特に異常なし。念のための採血も貧血、炎症なし。何気なしに、母親が席を外した時に、妊娠の可能性について尋ねたところ、どうも返答がはっきりしない。

 尿を取って妊娠反応を見てみたら陽性でした。

 母親同席でその結果をお話ししましたが、何とも気まずい雰囲気でした。その後のことは不詳です。

 ケース 2

 めまいと吐き気がここ1か月続くということで消化器内科を受診したアラサーの女性

 血液検査で貧血もなく、めまいと吐き気の薬を出して様子を見ようかなと思いましたが、最後に念のため妊娠について問診しました。

 本人は妊娠しているはずがない、と否定的でしたが、検査に同意いただき尿を調べたところ、妊娠反応陽性…直後に紹介した産婦人科での超音波検査では妊娠6週だったそうです。

 妊娠しているかどうかは、本人でもわからないことがあるのですね。

 「女を見たら妊娠と思え」、日常診療においても大切な金言です。

 小生、開業してからは、「妊娠の可能性] とマイルドに問診するのではなく、「過去2か月以内の性交の有無」についてズバリ質問するようになりました。

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