2014年7月27日日曜日

夏だ、元気だ、ビールがうまい! お酒との付き合い方について 2011年7月8日 記事

 今朝もかなり雨が降りました。ちょっと涼しくなったのでうちだ内科駐車場の草取りをしました。

 しぶとくへこたれずあきらめない状態をよく ”雑草のように” という表現しますが、スギナは取っても取っても一雨ごとに、これでもかと倍返しのように生えてきます。ちょっとへこたれてほしいな、雑草。

 あと2週間もすれば梅雨明けとなります。夏の夕方は冷やしたビールと枝豆がなきゃあ、という方は本当に多いと思います。本日はアルコールと肝臓病について書いてみました。

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 お酒は百薬の長といわれるように、適量を守って飲めば健康にプラスに働きますが、飲みすぎれば健康を害します

 このことはわが国では昔から、 ”上戸の毒知らず、下戸の薬知らず” と言い表されています。

 アルコールを少量摂取すると、動脈硬化の予防が期待できます。
 テレビにも100歳を超える長寿の方でも、少量のお酒を楽しんでいらっしゃる様子が放映されていました。とどのつまりお酒との付き合い方の中で最も重要なのは、飲む量です。

 お酒の種類によってアルコールが含まれる量は異なります。だいたい 
       ビール 中瓶 1本 
   = 日本酒 1合
   = ワインのグラス 2杯 
   = ウイスキーのダブル1杯 

となるそうです。
110627alkan また、毎日 日本酒5合 を 10年以上飲み続けている人 を医学的に”大酒家” 
と言い、

 毎日 日本酒3合 を 5年以上飲み続けている人 を ”常習飲酒家” 
と言います。
 
 アルコール性肝障害は、アルコールの直接作用と、アルコールが肝臓で代謝されて出来るアセトアルデヒドが細胞を痛め、肝臓内の線維を増やす(=肝臓が固くなる、肝硬変になる)ことが原因で起きます。

 常習飲酒家や大酒家では、はじめ脂肪肝になり、続いて肝線維症へ、さらに進行すると肝硬変へと進展します。

 肝硬変になると、「体内の一大工場」 兼 「産廃処理場 」である、肝臓の機能低下により、栄養不良を来し腹水による腹部膨満、黄疸が出現、またアンモニアを主とした老廃物が体内に残存蓄積し、肝性昏睡という意識障害をきたすようになります。

 また、食道静脈瘤という、異常血管が食道に増生し、吐血~出血性ショックに伴う突然死をきたすことがあります。普段から飲酒量の多い方は、冠婚葬祭などの際の大量飲酒は控えてください。
 
 この他に肝硬変には至っていない常習飲酒家の人でも酒席など短期間に毎日 日本酒5合相当の大量飲酒をすると、急激な肝細胞の破壊が起こり急性アルコール性肝炎を発症することがあります。
 
急性アルコール性肝炎になると食欲不振、全身倦怠感などで発症し、続いて黄疸、腹水を伴い、重症化すると致命的になる場合もあるといわれています。

 肝臓は沈黙の臓器と言われ、余程弱らないと、自他覚症状が出ません。長年飲酒を続けていて、気が付いたら上記のような症状が現れていた場合は、早めに医療機関を受診しすることをお勧めします。

 大酒家の方は、まず禁酒・減酒した上で、バランスのとれた食事をしっかりと摂るよう心掛けて下さい。肝臓に適正な栄養を与えることが肝臓をいたわって、長くお酒を楽しめることに繋がります。
 
                      具体的には以下のようなことにご注意ください。
110627alkan2  ・ 良質なたんぱく質をしっかり摂る
  ・ ビタミン、ミネラルをたっぷり摂る
  ・ 適正カロリーを心がける
  ・ 食事は三食規則正しく、朝食は抜かな  
  い、夕食は遅くならないようにする
  ・ 添加物や加工食品、インスタント食品    をなるべく避ける
  ・ 砂糖は控えめにする

図はこちらから引用させていただきました。http://www.kyoukaikenpo.or.jp/7,924,20,93.html

 これからの季節、ビールが一段とおいしくなりますが、阿賀野市の皆様には適度な酒量を守り、お酒を楽しんでなおかつ健康に役立てていただきたいと 肝臓専門医の小生は願っています。

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