2014年7月27日日曜日

胃潰瘍は治る病気です! ピロリ菌の除菌療法 2011年7月20日 記事

 連休中は家事でへとへとになってしまい、更新できませんでした。すみません。 m(__)m。

 なでしこジャパンが世界制覇し、大型台風が南日本をかすめています。
 ここ10日ばかり炎天続きでしたが、日がかげったと思ったら昨日は患者さんの来院が多く、寒いときと暑いときは商売がうまくいかないという、小売業界でよくいう「二八」を実感しています。

 本日は胃潰瘍についてです。(隔日更新を目指していますが最近ちょっと息切れがしてきています)

*************************************
 
 塩酸で満たされた胃の中に細菌が住んでいるとは、30年前までは考えられませんでした。

 ですが1983年にオーストラリアの科学者が「ヘリコバクター=ピロリ」という細菌を発見してから、急速に胃潰瘍の研究が進み、胃・十二指腸潰瘍の主な原因はピロリ菌であることが判明したことで、それまでストレスが唯一の原因と考えられ、一生治らなかった胃潰瘍がほぼ治る病気になりました。
110720gu_2
 ピロリ菌は不衛生な環境下で、幼児期に糞便で汚染された水を飲んだり、感染している高齢者から口移しで食べ物を与えらることで感染します。

 青年期にかけて胃や十二指腸に潰瘍を発症し、胃の悪性リンパ腫やいがんをひきおこすこともあります。

 ピロリ菌の感染は中高年層に多く見られましたが、衛生環境の改善に伴い若年者になるほど少なくなっています。

 現在は保険診療でピロリ菌の除菌治療が受けられ、それも一次除菌が無効であれば、抗生物質の変えて二次除菌まで可能となり、胃・十二指腸潰瘍患者の9割近い方が、抗潰瘍剤を飲み続けなくてすむようになっています。

 小生が研修医だったころは、まだ夜間・休日を問わず吐血した患者が病院に運び込まれ、緊急内視鏡検査を行って、内視鏡下に止血することが週に1度はありましたが、除菌治療がひろく行われるようになってからは、緊急呼び出しが月に一度程度に激減し除菌の効果を実感しました。

 以前胃・十二指腸潰瘍になった方も、ピロリ菌が胃内に潜んでいると、歳をとってから潰瘍を再発し、症状がはっきりしないうちに進行して、吐血・消化管穿孔(胃や腸の壁に穴が開いて貫通してしまう)といった重症になってから発見される危険があります。

 検診などで胃・十二指腸潰瘍を指摘された方で、まだピロリ菌のチェックを受けたことがない方は医療機関にご相談することをお勧めします。

 以下当ブログ参考記事もご覧ください。

2012年9月 慢性胃炎に対するピロリ除菌治療の保険適用を求め、製薬会社が厚労省に共同申請 http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/09/post_97d3.html

2013年2月 ピロリ菌除菌治療 胃炎も保険適用へ 平成25年3月にも開始
http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/02/post_3df7.html

2013年3月 胃炎に対するピロリ菌除菌適応の拡大は 平成25年2月21日からです
http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/03/post_898e.html

なお、上記の画像は大阪府医師会のホームページから引用させていただきました。http://www.osaka.med.or.jp/health/family/genki/02_04_29/index.html

0 件のコメント:

コメントを投稿