2014年7月28日月曜日

中島敦 「山月記」 引き締まった硬派の漢文体  2011年8月6日 記事

 8月6日(土)

 今日も朝から暑い阿賀野市です。みなさま、水分摂取、体温調節を怠らないようお願いいたします。

 1週間前は大雨洪水でしたが、今度は沖縄に台風が…予想進路は中国大陸に上陸するようですが、昨今は温暖化の影響で勢力が衰えず、甚大な被害が起きないよう祈るばかりです。

 今回は、中島敦の小説についてです(図は新潮文庫の 「李陵・山月記」です)。
110806sangetu
 中島敦の「山月記」は高校の国語の教科書に載っていたと記憶しています。次のようなあらすじだったはずです。

 人との交わりを絶って、己の臆病な自尊心を虎のように太らせてしまい、ついには虎になってしまった元 秀才。

 彼が人食い虎となって跋扈している地方に、彼が人類だったころの数少ない旧友が栄達して通りかかったところに出くわした虎(元人間)が、こうなってしまった仔細を語る…。

 小生も若いころは、もっと人見知りをするたちで、進んで知らない人と交わろうとはしませんでしたので、虎になってしまった男には、自身に重かさなる点が多々ありました。

 中島敦は漢学者の家の生まれ。長ずるにつれて漢語を自在に操り、密度の濃い短文を重ねていく作風が印象的です。

 彼の 「名人伝」 という短編も面白かったのが記憶に残っています。

 確か弓の名人が最後に弓矢のことを忘れてしまう、というものだったはず(覚えが悪くスミマセン)。

 文庫本もポケットに楽に入る厚さですので、公共機関で移動の際などにちょっと読むにはいいかもしれません。

 グローバリズムの影響で、英語に押され気味の国語、時には漢文調の本を読んでみませんか。

0 件のコメント:

コメントを投稿