2014年7月30日水曜日

天皇陛下も感染した最小生命体 マイコプラズマ 朝日新聞 平成24年2月4日(土) be on Saturday 今さら聞けないプラス  2012年2月15日 記事

120211nokyo2月15日(水) 雨
 
 写真は医院近くの通勤路ですが、先日まで除雪で雪の壁が出来ていました。

 ここの所、気温が上がり、路面は雪解けしましたが、予報によると週末にかけてまた寒波がやってくるそうで、
つかの間の喜びです。雪掻きはもううんざりですよね。

 巷ではインフルエンザが大流行しており、当院でもA型、B型ともに検出されています。治療は抗インフルエンザ薬を処方していますが、いったん解熱してからも発熱、長引く咳に悩むかたもいらっしゃいます。そのような時は細菌による2次感染と考え、抗生物質を処方します。

 でも、その頼みの綱の抗生物質がなかなか聞かない場合もあり、そんな時藪医者は冷や汗を流します…。

 気管支炎や肺炎の原因になる細菌の中で、一般的な抗生物質が効かない病原体、マイコプラズマに関しての記事を見つけましたので、抜粋します。

 小生は不勉強な学生だったので、マイコプラズマに関しては、「分類学的に細菌かカビか決着がつかず、オリンピックの年4年毎に流行する」 という程度の断片的な知識しか持ち合わせていませんでした。今回も勉強になりました。

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朝日新聞 平成24年2月4日(土) be on Saturday 今さら聞けないプラス

天皇陛下も感染した最小生命体 マイコプラズマ

 「マイコプラズマ」という小さな細菌が引き起こす肺炎(痰の少ない、乾いた咳が長く続くのが特徴)が、昨夏から半年間も流行しており、昨年11月には天皇陛下も気管支炎に感染し入院された。

 マイコプラズマ(以下 マイコ と略; この記事を読んだ まいこ さん お気を悪くしないよう…)は以下の特徴を持つ。

・ 究極まで無駄をそぎ落とした 『最小の生命体』 大きさは大腸菌の10分の1ほど。遺伝子数も  生物の中で最も少ない部類に属す。

・ 普通の細菌にある 「細胞壁」 が無く、細胞膜がむき出しになっている。

・ 七〇種類以上いるマイコ類は ほ乳類・鳥類の体内に寄生していて、人間の肺や  口、尿道、生殖器からも見つかるが、肺にいる種類以外は人間と共存してい   る。

・ マイコは肺や気管支の粘膜細胞に付着するが、細胞を攻撃~破壊しな いため、粘液や痰が少ない。乾いた咳が続くのは共存していた人間の免疫系が、  なぜかマイコの細胞膜の部品に刺激され、炎症がおきるためと考えられている。

・ 細菌性肺炎の際に広く使われるペニシリン系やセフェム系の抗生  物質は、細胞壁のないマイコには無効。タンパク質や遺伝子の合成を阻害するタイプ   の薬を使う必要がある。

・ 抗菌薬でマイコを殺してもバラバラになった細胞膜の部品は残 るため、炎症は続く=咳が止まらない

・ コワイのは肺以外の場所で炎症を起こす 「 肺外発症 」。
  弱った粘膜細胞同志の隙間からマイコが血管に入り込んで全身にばらま かれ脳炎、髄膜炎、急性膵炎、心筋炎などが引き起こされる。

・ マイコは石鹸や加熱に弱いので、手洗いやうがい、食材の加熱などの対策が有効。またせきや  くしゃみで感染するため、咳エチケットを守ることが大切。

※ そのほか、マイコが医学実験に使用する細胞に感染していたため、実験結果の精度が問題となり、何年にもわたる研究が無駄になったことなどが書いてありました。

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