昨日の雨上がりもつかの間、またぐずついた空模様です。
ココアは昨日久しぶりに朝夕と散歩ができてご満悦でした。
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さて、先日のNHK総合 ためしてガッテン では 「肝臓がんの原因になりうる脂肪肝」 と、「ウコンに含まれる鉄分で肝臓が悪くなる」 という話題が取り上げられていました。
脂肪肝も鉄分も、肝臓専門医の間では肝臓に良くないということは、ここ約10年の間にほぼ常識となっていました。
ところが、番組内でも志の輔さんが指摘していましたが、一般の方々にはほとんど周知されていなかったようでしたので、小生がブログで喫緊に取り上げるべき事柄と考えアップした次第です。
脂肪肝からの発がんのメカニズムは以下のように説明されていました。
脂肪肝になると、肝臓の細胞に取り込まれた脂肪が、細胞内のミトコンドリアという器官を傷害し、”ジャイアントミトコンドリア”になってしまい、結局、肝細胞が死んでしまう。
肝細胞が死んでしまったあとでは炎症が起きて、細胞のあった場所に星状細胞がコラーゲンを分泌、その結果肝硬変になり、肝臓の炎症が慢性化した結果として肝臓がんが発生する。
非アルコール性脂肪肝炎
= 酒を飲まない脂肪肝の患者( NASH ナッシュと略)
は 国内に1000万人の患者がいると推定される。
NSAHの2割が10年間に肝臓がんを発症する可能性あり、今後はより注意が必要な生活習慣病であるとのこと。NASHは肝がんができる頃には、肝臓内の脂肪がなくなってしまい、”燃え尽き NASH” という状態になる
NASHの予防の一つとして、夜更かししないで早寝早起きすることが大切。
脳は糖、心臓は脂肪をエネルギーにしやすい。肝臓は脳が休むと、脂肪を分解し心臓のためのエネルギーを作る。肝臓の脂肪は睡眠中に消費されるため、脂肪肝が改善するとのこと。
http://www.osaka.med.or.jp/health/family/genki/04_10_17/index.html より図を引用させていただきました。
続いて 「鉄分」 について。
NASHやC型肝炎の際、すでに肝細胞内には鉄分が過剰に蓄積しており、それらが酸化することで肝細胞の障害を招き、ひいては発がんを引き起こす。C型肝炎の治療法には、場合によっては瀉血といって、体内から血液を捨ててしまう方法もある。
番組中では 肝臓に良いといわれる ウコンが含んでいる鉄分が 逆説的に肝臓を悪くすると警告。
C型肝炎やNASHの場合は血液中の フェリチン(= 体内貯蔵鉄を反映) を測定し、過剰な鉄を食事制限で減らすさないと、本来の治療がうまくいかないこともあると、三重大学医学部の管理栄養士 岩田先生が警告していました。慢性の肝臓病の方は、鉄分の少ない食事をとる必要があります。
検診で、お酒を飲まないのに「脂肪肝」 を指摘された方、治療の第一歩として運動・食事療法の他、早寝早起きという生活習慣の改善も必要ですよ。
もし普段、ウコンを飲んでいて、血液中のフェリチン値が気になる方は最寄りの医療機関で測定してもらってみて、もし貯蔵鉄が多い場合は鉄分を控えた食事(前出の岩田先生も連名で、「C型肝炎・脂肪性肝炎(NASH) 鉄制限療法で肝臓をまもる(昌栄印刷)」 という本を出版されていますのでご参考に)を採るようにしていただきたいと思います。
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