8月26日(金)
朝夕は半袖では肌寒く感じる方もいらっしゃるかと思います。
昨日は瓢湖で花火が打ち上げられ、水原祭りが終わりました。もう秋ですね。
今回は、8月24日(水)にNHKためしてガッテンで取り上げられた ”ノックアウト型脳梗塞” についてまとめてみました。
*************************
番組の冒頭で、”ノックアウト型脳梗塞”の説明がありました。
ノックアウト型とは、大脳の左半球ないし右半球を支配する血管の本幹に、大きさ数mmの血栓ではなく、長さ数cmの血柱といっていいくらい、長い巨大血栓が詰まってしまい、大脳の左右どちらかがCT上真っ黒に映るような、重度の脳梗塞で死亡率も高いと説明されていました。
現在、範囲の限られた脳梗塞に対しては、tPA(組織プラスミノゲンアクチベーター)という血栓溶解剤で治療可能であり、実際に番組では社会復帰できた患者さんを取り上げていました。
しかしtPAは発症後3時間以内という、超急性期に注射しないと効果がありません。
またノックアウト型脳梗塞のような、太い動脈が血流が途絶えるくらい広範囲の血栓はtPAでも治療できません。
少し溶けて小さくなっても、より末梢の血管に再び詰まったり、脳出血を引き起こすためです。
となると脳梗塞は早期治療もさることながら、予防することが大切といううことです。
高血圧や糖尿病、高脂血症から引き起こされる動脈硬化に加えて、心房細動などの不整脈で巨大血栓が心臓内に形成されることが、番組では模型などで示されていました。
不整脈で血液が心臓内に滞留してフィブリン血栓が形成されます(フィブリンとは血液中にあって、刺激により網状に変化して血球をからめ取って血栓を造るもとになります)。
巨大血栓を形成するフィブリンは固まりやすく溶けにくく、悪玉フィブリンと呼ばれていました。動脈硬化が起きて血管が傷ついていると、それまで無害だったフィブリンが豹変して悪玉になるのだそうです。
血栓予防には抗凝固剤(ワーファリン)や抗血小板薬(アスピリン)などが必要になります。
前者の抗凝固療法は心房細動に加えて、高血圧、糖尿病、75歳以上の高齢であること、高脂血症がある、以前に脳梗塞を起こした、などの危険因子のある方に必要な治療です。
フィブリンの形成を防ぐワーファリンは、効きすぎの場合に出血しますし、納豆、青汁、クロレラなどが食べられないなど生活に制限が生じます。
最近発売された新薬のダビガトランという抗凝固剤は、ワーファリンの欠点を改良したものです
が、それでも高齢者や、腎障害のある人には使えないそうです。
動脈硬化の診断と予防について。
血管内皮にNO(一酸化窒素)が多いほど血管が柔らかく広がりやすい。また血管内皮は凸凹の配置では血流を妨げ、NOが少なくなるため、血流を早めて内皮を整列させ、NOが出やすい状態にし血管が拡張しやすくする必要があります。
動脈硬化に対する運動の効果を見るために、30代から60代の男性10人ほどに被験者になっていただき、そのためにはスロージョギング(散歩と同じ程度の速度で行うジョギング)という軽い運動を1日30分、2週間行った結果も示され、明らかに血管が拡張することが確認されました。
激しい運動はストレスになり、鼻歌が歌える程度の有酸素運動が効果的だとのことです。
************************************
不整脈は老化などで起きてしまいます。
しかし、普段から血圧、血糖、血中脂質を下げて、かつ有酸素運動を定期的に行うことが、血栓・血管の詰まりを予防することにつながります。
今年の検診で異常が指摘されましたら、お近くの内科にご相談してみてください。
お薬での治療が必要かもしれませんが、
生活面でも
”一口30回噛んで食べ、腹八分目に”、
”1回30分程度の散歩を週3回”、
”万歩計をつけて一月20万歩~30万歩 歩く”
ということを心がけ、健やかな老後を迎えるために健康の貯金をしてみませんか?
0 件のコメント:
コメントを投稿