2014年7月25日金曜日

検診結果のみかた その5 中性脂肪 2011年6月20日記事

 今朝は涼しい朝でした。今の季節、夜窓を開け放っておくには、まだ早いかもしれません。夏風邪にご注意ください。

 この土曜日は大学の医局の会合に出席してきました。

 教授をはじめとする恩師にお目にかかり、また同じ釜の飯を食った先輩後輩と年1度安否を確認する、といった意味合いの集まりでした。

 原発で取りざたされている福島県の、郡山の病院で診療に従事しているE先生も、震災に負けず健在でした。今年中に新規開業の予定、と彼の口から聞いてその逞しさと強かさに驚くと同時に、心からエールを送り会場を後にしました。がんばれ福島、がんばれE先生、でも冷静になってみると、開業したての小生も自分の足下を固めなくてはならない状況でした…。

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 今日は中性脂肪についてお話いたします。

 中性脂肪はコレステロールに比べると脇役的に考えがちですが、動脈硬化を悪化させますし、そのほか脂肪肝や、異常高値(1000以上)になると急性膵炎を引き起こすといわれ、いい加減な対応は厳禁です。

http://jinnouchihp.blog121.fc2.com/blog-category-31.htmlより下図を引用させていただきました。

 中性脂肪が高い人の血液は一番左側のものです。試験管の上部がピンク色になっています。

 ほかの2本は黄色透明です。よくTVなどで耳にする、血液ドロドロの状態は、視覚的には一番左のものがあてはまるかもしれません。

 ピンクの部分は ”乳糜(にゅうび)”といい、高脂血症でない人でも食後であれば程度の差はあれ、乳糜がみられます。しかし一晩寝た翌朝も乳糜を呈する場合は、中性脂肪が異常高値と考えられ、治療が必要です。
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 薬による治療が必要な中性脂肪の値は、厳密には絶食後12時間の空腹時採血で150以上とされていますが、コレステロールと異なり、中性脂肪は食事の影響を受けやすいため、明確な治療開始基準が定められていません。
 
 糖尿病や家族に狭心症や心筋梗塞がいないかなどの危険因子を考慮した上で、食事・運動療法から開始し、反応の良くない患者さんに内服治療を開始するようです。

 内服治療開始時の中性脂肪の値は 大体250以上から と小生は考えています。「正常上限を 100 超えたら 内服」です。

 中性脂肪が 500~1000 の方は早めに医療機関にご相談ください。

 中性脂肪が 1000以上 の方は、すぐに病院へGO! です!

 中性脂肪については下記のサイト 「糖尿病ネットワーク」 ににわかりやすくまとめてあります(といっても医学用語が載っていて、横文字がわかりにくいかもしれませんが…)
http://www.dm-net.co.jp/tg/tg02-01.htm
http://www.dm-net.co.jp/tg/tg03-01.htm

 中性脂肪は、コレステロールよりも、良くも悪くも生活習慣の影響を受けやすいという印象があります。

 中性脂肪が300前後の方は、まず1日30分の散歩と一口30回噛む食事療法から、生活習慣の改善を始めてみて頂きたいと思います。

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