2014年7月26日土曜日

検診結果のみかた6 便潜血反応の落とし穴  2011年6月25日 記事

 今朝は雨が降って、蒸し暑いどころか、かえって寒いくらいでした。犬も布団にもぐりこもうとしているぐらいでした。阿賀野市の皆さま、夏風邪にご用心ください。

今回は検診によくある、便潜血反応についてのお話です(検診は無意味ではありませんが、検出感度に限界があり、最終的に便を調べただけでは癌を否定できません、という内容です)。

************************************

 便潜血(1日法)の陽性率進行した大腸がんで7割前後、早期がんでは3割程度であり、2日法だとそれぞれ前者が8割、後者が4割程度まで陽性率が上がるとされています(金原出版 臨床検査法提要より)。

 ということは、2日間便を採って調べて、便潜血陰性 = ”検診で大腸がんの心配なし” であっても、進行大腸がんの可能性も否定できないということです。

 21世紀になって10年、 ”想定外” のことを想定しなければならない世の中になってしまいました。

 ここ数か月で便秘しやすくなった、ときどき便に血が付く、身内にがん患者が多く、50歳を超えて大腸がんが心配になった、というような方は、是非大腸内視鏡検査をお受けください。
 
 胃に比べて、確かに大腸の内視鏡検査は腰が引けるかもしれません。前処置が大変ですし、小生が研修医だったころ(約15年前)は 挿入に伴う苦痛に懲りて ”もう一生受けないッ” とおっしゃる方も多く見受けられました。

 しかし現在は機器と技術の進歩によって、以前より格段に苦痛が軽減しました。検査は大変でも、それに見合う成果が期待できます。症状のない段階の早期大腸がんが見つかったら、それは非常に幸運です。なぜなら開腹せずに内視鏡的に根治治療が可能だからです。

 余談ですが、便潜血検査は、食道~胃~十二指腸の病気の発見にも役に立つとお考えの方はいらっしゃいませんか?

 小生の経験上、 ”胃がん” や ”食道がん” など、出血を伴いそうな上部消化管の病気には、便潜血検査はあまり寄与しないと感じています(癌部からの大量出血が続き、医学的な意味での貧血で顔色が真っ白になっている人は別ですが…)。

 心配なら内視鏡でのぞいてみる…現代は、胃も大腸もそれが比較的容易にできる時代です。

 便通異常や血便で、精密検査するかどうか迷ったら、一度は大腸内視鏡で異常のないことを確認してみることをお勧めします。

 ちなみに小生は3000件以上の大腸内視鏡検査を経験しており、できるだけ苦痛が少なく安全に検査することを心がけております。もし胃腸の精密検査を受けたいとお考えの方、どうぞ下記までご相談ください。  

 ★ うちだ内科医院 tel 0250-61-2020 
   阿賀野市市野山 サムズウオロク水原店ウラ

0 件のコメント:

コメントを投稿