2014年7月30日水曜日

症例5 腰痛の患者が突然死~解離性大動脈瘤  2011年12月16日 記事

111216iin 12月16日(金)

 いよいよ雪が積もる季節になりましたが、当院の駐車場には消雪パイプを敷設してありますので、来院の方のご不便は最小限に抑えてあります。
 急な発熱などの場合もお気軽にご来院ください。

 新潟日報では、上越地区でロタウイルス、中越地区でインフルエンザノロウイルスによる食中毒の流行が報じられています。

 当院にも風邪や、吐き下し症状の方の来院が多いようです。自衛のため、外出の際マスクの装着、こまめに手洗い、うがいの励行をお願いいたします。

今回は、突然死の原因になることもある解離性大動脈瘤のお話です。

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 解離性大動脈瘤。ドリフターズの加藤茶さんが九死に一生を得た病気として有名です。
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 もともと高血圧、動脈硬化の進んだ患者に発症し、特徴は首~背中~腰を移動する激痛です。

 これは血管が裂けて、高血圧により裂け目が徐々に広がるための症状です。

 診断はCTやMRIでなされますが、病歴から本性を疑うことが肝要です。

 初期に発見されれば幸運で、中には腰痛や神経痛として見過ごされ、かなり進行してから診断が確定したものの、その時点では手術できない状態になってしまう方もいらっしゃるようです。

 小生が見聞きした症例は以下のような経過でした。

 高血圧とアルコール性肝障害を他院で治療中の、もともと腰痛持ちの喫煙高齢男性背中と腰の痛みを訴えて午前中、病院の整形外科を受診

 外来医は椎間板ヘルニアや坐骨神経痛といった整形外科特有の病気がないことを確認し、痛みどめの内服と湿布を渡されて帰宅。

 夕方から一人で大好きなお酒を飲んで倒れているところを、帰宅した家族が見つけて病院に救急搬送されました。

111216kairi1                                                                                                                                   救急隊が自宅に駆け付けた時には、すでに心肺停止状態だったとのことで、救急外来でも懸命の心肺蘇生が続けられましたが、1時間以上蘇生を続けても心拍の再開がみられず蘇生を断念。

 頭部と胸腹部のCTを撮影したところ、死因は解離性大動脈瘤の破裂だったと後日伺いました。

 高血圧治療中の方で、突然 ”引き裂かれるような” 激しい背中の痛みを感じ、そしてそれが上下に移動するような気配がある場合は、即救急車を呼んで病院に行かなくてはいけません。

 高齢者では痛みの程度が軽かったりして大動脈解離の発見が遅れることがあり、まずは病気を疑うことの大切さを肝に銘じられる症例でした。

なお、上図はhttp://www7.plala.or.jp/machikun/shourei12.htm と 
http://www.google.co.jp/imgres?q=%E8%A7%A3%E9%9B%A2%E6%80%A7%E5%A4%A7%E5%8B%95%E8%84%88%E7%98%A4&hl=ja&sa=X&rlz=1T4FTJA_jaJP424JP438&biw=1145&bih=596&tbm=isch&prmd=imvns&tbnid=9FmbqxNV21um_M:&imgrefurl=http://www.jll.co.jp/patient_family/aneurysm-2.html&docid=iYKx1n4wJhthfM&imgurl=http://www.jll.co.jp/patient_family/images/img-27.jpg&w=308&h=212&ei=TYzqToebKObKmQWowsSBCg&zoom=1&iact=rc&dur=136&sig=106001182316982724329&page=2&tbnh=103&tbnw=150&start=19&ndsp=19&ved=1t:429,r:0,s:19&tx=63&ty=65より引用させていただきました。

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