3月2日(日) 曇り
今年は少雪の新潟ですが、暖かい春が待ち遠しく思います。インフルエンザはA、Bとも来院が見られますが、いっときよりは少なくなってきた感があります。
当院でも禁煙外来を設置していますし、通院中の愛煙家には事ある毎にたばこの害を説明していますが、なかなか喫煙者は減りません。
新聞に子供に悪影響をあたえる、受動喫煙の特集が載っていましたのでアップします。親の不注意のせいで子供の健康を害すると知っても、たばこは止められない物なのでしょうか…。
*************************
子供の受動喫煙 ベランダの「蛍族」でも残る悪影響 今さら聞けないプラス 朝日新聞be 平成26年3月1日(土)
たばこの煙にさらされる子供の 「受動喫煙」 の危険性を示す様々なデータを根拠に、海外では規制強化が進んでいます。例えば英下院は2月、子供を乗せた車の中での喫煙を禁じる法案を可決しました。吸わないのに受けてしまう、たばこの害をまとめました。
子供が受動喫煙で受けるダメージは、大人より大きくなります。体が小さい分、体重当たりの呼吸量が大きく、有害物質をより多く取り込んでしまうからです。
発達途中の内臓や脳は、取り込んだ有害物質を分解・排泄する力が弱く、成長期で細胞分裂も盛んなため発癌性物質の影響も受けやすいのです。
□ □
胎児への影響も深刻です。
たばこを吸う妊婦が生んだ新生児の平均体重は、吸わない妊婦よりも200g前後少なくなります。ニコチンの影響で血管が縮み、胎児に栄養が届きづらくなり、シアン化水素が成長に欠かせないタンパク質の合成を邪魔するのです。
さらに一酸化炭素で胎児の脳が酸欠状態になり、脳の成長にも影響を及ぼします。
幼児期の知能指数が4~6ポイントひくくなるという報告や注意欠除多動性障害(ADHD)の出現率が2~3倍になるとの報告が出ています。
中国の大気汚染で、肺に入り込むほど小さな粒子(PM2.5)が注目されていますが、たばこの煙もまたPM2.5です。
北京では1立方メートル当たりのPM2.5が300マイクログラムを越える 「厳重汚染」 の日が続き、不調を訴える子供が病院に駆け込みました。日本でも産業医科大の大和浩教授らが、全席喫煙可の日本の喫茶店内の空気を調べたところ、午後6時頃の平均濃度が371マイクログラムと 「北京並み」 の汚染でした。
車の運転席で吸った場合には、全ての窓を10センチ開けエアコンで換気しても、車中の濃度は最大約3000マイクログラムになります。
助手席より後部座席の方がより高濃度でした。たとえベランダや換気扇の下で吸っても、子供は影響を受けます。家族がたばこを吸う家の子供の尿中ニコチン(ニコチンの代謝物質)の量は、吸わない家庭に比べ、
「換気扇の下」 で 3.2倍
「ベランダ喫煙」 でも 2.4倍 と多かったのです。
喫煙後の服や,家具や壁などに残るたばこ由来の化学物質を触ったり吸い込んだりすることを 「三次喫煙」 と呼びます。たばこの害に詳しい村松弘康・中央内科クリニック院長は
「健康影響を探る枝研究は始まったばかりだが、細胞のDNA を傷つける可能性などの報告がある。化学物質がついた家具や服に小さな子らが触っていることを知って欲しい」
と訴えます。
□ □
それでも、子供のために禁煙する親は多くありません。全国の母子10万組が参加する環境相の 「エコチル調査」 によると、
「妊娠に気づいてやめた」母親は 全体の 13% (暫定値、以下同)
「妊娠中期も吸っていた」母親 5%
父親の喫煙率は、妊娠初期で46%、妊娠中期でも47%とほとんど変わっていません。
たばこの影響で健康を損なったと思われる子供達を診てきた加治正行展静岡市保健所長は
「これだけ体や知能にダメージを与え将来の健康も損ねるたばこを、子供の前で吸うのは一種の虐待行為」
と訴えています。
自治体の取り組みにも差があります。斉藤麗子・十文字学園女子大学教授は2011年、政令指定市と東京都内の全市区町村の児童公園の灰皿の有無を調べました。質問に答えた190自治体(指定市の行政区を含む)のうち、2割が 「灰皿が置かれた児童公園がある」 と回答。8割は禁煙の表示がありませんでした。都内23区は13区の公園に灰皿がありました。
「灰皿があった24自治体のうち、昨年末の追跡調査で半分以上が撤去。声を上げることが大事です」 と斉藤氏。 (錦光山雅子)
当院でも禁煙外来を設置していますし、通院中の愛煙家には事ある毎にたばこの害を説明していますが、なかなか喫煙者は減りません。
新聞に子供に悪影響をあたえる、受動喫煙の特集が載っていましたのでアップします。親の不注意のせいで子供の健康を害すると知っても、たばこは止められない物なのでしょうか…。
*************************
子供の受動喫煙 ベランダの「蛍族」でも残る悪影響 今さら聞けないプラス 朝日新聞be 平成26年3月1日(土)
たばこの煙にさらされる子供の 「受動喫煙」 の危険性を示す様々なデータを根拠に、海外では規制強化が進んでいます。例えば英下院は2月、子供を乗せた車の中での喫煙を禁じる法案を可決しました。吸わないのに受けてしまう、たばこの害をまとめました。
子供が受動喫煙で受けるダメージは、大人より大きくなります。体が小さい分、体重当たりの呼吸量が大きく、有害物質をより多く取り込んでしまうからです。
発達途中の内臓や脳は、取り込んだ有害物質を分解・排泄する力が弱く、成長期で細胞分裂も盛んなため発癌性物質の影響も受けやすいのです。
□ □
胎児への影響も深刻です。
たばこを吸う妊婦が生んだ新生児の平均体重は、吸わない妊婦よりも200g前後少なくなります。ニコチンの影響で血管が縮み、胎児に栄養が届きづらくなり、シアン化水素が成長に欠かせないタンパク質の合成を邪魔するのです。
さらに一酸化炭素で胎児の脳が酸欠状態になり、脳の成長にも影響を及ぼします。
幼児期の知能指数が4~6ポイントひくくなるという報告や注意欠除多動性障害(ADHD)の出現率が2~3倍になるとの報告が出ています。
中国の大気汚染で、肺に入り込むほど小さな粒子(PM2.5)が注目されていますが、たばこの煙もまたPM2.5です。
北京では1立方メートル当たりのPM2.5が300マイクログラムを越える 「厳重汚染」 の日が続き、不調を訴える子供が病院に駆け込みました。日本でも産業医科大の大和浩教授らが、全席喫煙可の日本の喫茶店内の空気を調べたところ、午後6時頃の平均濃度が371マイクログラムと 「北京並み」 の汚染でした。
車の運転席で吸った場合には、全ての窓を10センチ開けエアコンで換気しても、車中の濃度は最大約3000マイクログラムになります。
助手席より後部座席の方がより高濃度でした。たとえベランダや換気扇の下で吸っても、子供は影響を受けます。家族がたばこを吸う家の子供の尿中ニコチン(ニコチンの代謝物質)の量は、吸わない家庭に比べ、
「換気扇の下」 で 3.2倍
「ベランダ喫煙」 でも 2.4倍 と多かったのです。
喫煙後の服や,家具や壁などに残るたばこ由来の化学物質を触ったり吸い込んだりすることを 「三次喫煙」 と呼びます。たばこの害に詳しい村松弘康・中央内科クリニック院長は
「健康影響を探る枝研究は始まったばかりだが、細胞のDNA を傷つける可能性などの報告がある。化学物質がついた家具や服に小さな子らが触っていることを知って欲しい」
と訴えます。
□ □
それでも、子供のために禁煙する親は多くありません。全国の母子10万組が参加する環境相の 「エコチル調査」 によると、
「妊娠に気づいてやめた」母親は 全体の 13% (暫定値、以下同)
「妊娠中期も吸っていた」母親 5%
父親の喫煙率は、妊娠初期で46%、妊娠中期でも47%とほとんど変わっていません。
たばこの影響で健康を損なったと思われる子供達を診てきた加治正行展静岡市保健所長は
「これだけ体や知能にダメージを与え将来の健康も損ねるたばこを、子供の前で吸うのは一種の虐待行為」
と訴えています。
自治体の取り組みにも差があります。斉藤麗子・十文字学園女子大学教授は2011年、政令指定市と東京都内の全市区町村の児童公園の灰皿の有無を調べました。質問に答えた190自治体(指定市の行政区を含む)のうち、2割が 「灰皿が置かれた児童公園がある」 と回答。8割は禁煙の表示がありませんでした。都内23区は13区の公園に灰皿がありました。
「灰皿があった24自治体のうち、昨年末の追跡調査で半分以上が撤去。声を上げることが大事です」 と斉藤氏。 (錦光山雅子)
0 件のコメント:
コメントを投稿