3月23日(土) 雨
先回、A型インフルエンザは終息、と本ブログに記載しましたが、まだぽつぽつ発生が見られます。これから流行が懸念されるB型や風邪の予防のためにもマスク、うがい、手洗いの励行をお勧めします。
新聞記事に薬と食品の飲み合わせについての記事が載っていました。
降圧剤(カルシウムアンタゴニスト)とグレープフルーツジュース、抗凝固作用があるワーファリンと納豆・山菜については小生も知っていましたが、他にもいろいろな組み合わせがることに驚きました。
ただ、この類(たぐい)の記事で注意しなくてはならないのは、
「一度でも一緒に飲んだら即アウト!」 ということではない
ことです。食物アレルギーによるアナフィラキシーショックのようなケースとは明らかに異なります。飲み合わせ・食べ合わせは確かに要注意ですが、あまり過敏になりすぎないようにご留意ください。
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元気のひけつ 知らないと怖い食品と薬の「食い合わせ」 お茶など飲み物も要注意 平成25年3月23日 朝日新聞 be on Saturday
病院でもらった薬に「グレープフルーツジュースと一緒に飲まないでください」という注意書きがあるのを見たことはありませんか。薬と一緒に食べると薬の効果を強めたり弱めたりしてしまう食品が、実は身近に結構あるのです。
☐ ☐
納豆、チーズ、スポーツ飲料…。ごく一般的な食品だが、薬との組み合わせで、重大な結果を引き起こしかねない。
薬の飲み方について外来相談を受け付けている愛知学院大学の山村恵子教授(臨床薬剤学)は、脳梗塞や心筋梗塞の再発を防ぐ、血液が固まらないようにする薬「ワーファリン」を飲んでいる80歳代女性患者の血中濃度がおかしいことに気付いた。
「お薬があまり効いていないようなんですが、もしかして何か食べていますか?」
実は、女性は納豆好きだったと判明。
「週2回なら大丈夫かと思って…」
食べていたとのこと。
ワーファリンはビタミンKの働きを弱めることで血液を固まりにくくする薬だ。そのため、ビタミンKの多い食材(納豆、クロレラ、青汁)を摂ると、効果がなくなってしまう。さらに納豆の場合は、食べて数日たっても体内でビタミンKを造り続けるため、この女性の場合も、薬の効果を弱めてしまっていた。
「脳梗塞は再発すれば命にかかわる。こういう薬は効いているかどうか、血中濃度を定期的に測ってチェックすることが重要」
と山村さん談。
薬を飲むと有効成分がまず腸等で吸収され、、肝臓で代謝されたのち血流にのって全身に運ばれて効果を発揮する。食べた食品は、胃の中で薬の有効成分と結びついて、その吸収を妨げたり、肝臓で代謝酵素を増やしたり減らしたりすることで、薬の効き目に影響を及ぼす (右図参照,クリックで拡大)。
☐ ☐
食べ物だけでなく、飲み物も要注意。スポーツ飲料や緑茶などで薬を飲んでいないだろうか。
骨粗鬆症の治療薬、ビスフォスフォネート製剤という薬は、マグネシウムやカルシウムなど電解質の入ったスポーツ飲料と同時に摂ると,有効成分の形が変わってしまい、吸収されにくくなる。同様のことは、抗生物質と牛乳の組み合わせでも起こる。
最近では、お茶が高脂血症の治療薬「スタチン系薬剤」の効果を強めるという報告もある。
相互作用には、患者の心理も影響していそうだ。静岡県立大学の山田静雄教授いわく
「病気があるだけに、健康を維持したいという気持ちから健康食品をとる場合も多い」
山田さんの調査では、静岡市内の泌尿器科に通う患者の64%が、ビタミン剤やウコンなどの健康食品を、医師や薬剤師に相談せずに常用していたという。
健康に良さそうな食品を取りすぎて、薬の効果をなくしてしまっては元も子もない。一度かかりつけの薬局で相談してみる方がよさそうだ。
インフォメーション
薬の正しい知識を普及するための団体
「くすりの適正使用協議会」のホームページhttp://www.rad-ar.or.jp/02/08/index-sougo.html
で薬と食品の相互作用がまとめられている。注意すべき食品は、薬の説明書である「添付文書」に書かれていることが多いので、自分の飲んでいる薬の説明書は、一度ちゃんと読んでおいた方がいい。 (月舘彩子)
新聞記事に薬と食品の飲み合わせについての記事が載っていました。
降圧剤(カルシウムアンタゴニスト)とグレープフルーツジュース、抗凝固作用があるワーファリンと納豆・山菜については小生も知っていましたが、他にもいろいろな組み合わせがることに驚きました。
ただ、この類(たぐい)の記事で注意しなくてはならないのは、
「一度でも一緒に飲んだら即アウト!」 ということではない
ことです。食物アレルギーによるアナフィラキシーショックのようなケースとは明らかに異なります。飲み合わせ・食べ合わせは確かに要注意ですが、あまり過敏になりすぎないようにご留意ください。
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元気のひけつ 知らないと怖い食品と薬の「食い合わせ」 お茶など飲み物も要注意 平成25年3月23日 朝日新聞 be on Saturday
病院でもらった薬に「グレープフルーツジュースと一緒に飲まないでください」という注意書きがあるのを見たことはありませんか。薬と一緒に食べると薬の効果を強めたり弱めたりしてしまう食品が、実は身近に結構あるのです。
☐ ☐
納豆、チーズ、スポーツ飲料…。ごく一般的な食品だが、薬との組み合わせで、重大な結果を引き起こしかねない。
薬の飲み方について外来相談を受け付けている愛知学院大学の山村恵子教授(臨床薬剤学)は、脳梗塞や心筋梗塞の再発を防ぐ、血液が固まらないようにする薬「ワーファリン」を飲んでいる80歳代女性患者の血中濃度がおかしいことに気付いた。
「お薬があまり効いていないようなんですが、もしかして何か食べていますか?」
実は、女性は納豆好きだったと判明。
「週2回なら大丈夫かと思って…」
食べていたとのこと。
ワーファリンはビタミンKの働きを弱めることで血液を固まりにくくする薬だ。そのため、ビタミンKの多い食材(納豆、クロレラ、青汁)を摂ると、効果がなくなってしまう。さらに納豆の場合は、食べて数日たっても体内でビタミンKを造り続けるため、この女性の場合も、薬の効果を弱めてしまっていた。
「脳梗塞は再発すれば命にかかわる。こういう薬は効いているかどうか、血中濃度を定期的に測ってチェックすることが重要」
と山村さん談。
薬を飲むと有効成分がまず腸等で吸収され、、肝臓で代謝されたのち血流にのって全身に運ばれて効果を発揮する。食べた食品は、胃の中で薬の有効成分と結びついて、その吸収を妨げたり、肝臓で代謝酵素を増やしたり減らしたりすることで、薬の効き目に影響を及ぼす (右図参照,クリックで拡大)。
☐ ☐
食べ物だけでなく、飲み物も要注意。スポーツ飲料や緑茶などで薬を飲んでいないだろうか。
骨粗鬆症の治療薬、ビスフォスフォネート製剤という薬は、マグネシウムやカルシウムなど電解質の入ったスポーツ飲料と同時に摂ると,有効成分の形が変わってしまい、吸収されにくくなる。同様のことは、抗生物質と牛乳の組み合わせでも起こる。
最近では、お茶が高脂血症の治療薬「スタチン系薬剤」の効果を強めるという報告もある。
相互作用には、患者の心理も影響していそうだ。静岡県立大学の山田静雄教授いわく
「病気があるだけに、健康を維持したいという気持ちから健康食品をとる場合も多い」
山田さんの調査では、静岡市内の泌尿器科に通う患者の64%が、ビタミン剤やウコンなどの健康食品を、医師や薬剤師に相談せずに常用していたという。
健康に良さそうな食品を取りすぎて、薬の効果をなくしてしまっては元も子もない。一度かかりつけの薬局で相談してみる方がよさそうだ。
インフォメーション
薬の正しい知識を普及するための団体
「くすりの適正使用協議会」のホームページhttp://www.rad-ar.or.jp/02/08/index-sougo.html
で薬と食品の相互作用がまとめられている。注意すべき食品は、薬の説明書である「添付文書」に書かれていることが多いので、自分の飲んでいる薬の説明書は、一度ちゃんと読んでおいた方がいい。 (月舘彩子)
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