2014年8月13日水曜日

朝日新聞 「混合診療」にまつわる三つの誤解を解く 早川幸子さんの お金のミカタ 平成25年7月6日(土) be青    2013年7月11日 記事

7月11日(木) 曇り
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 空梅雨が終わり、毎日ぐずついた蒸し暑い天気が続いています。

 お隣の薬局の緑のカーテンにはアサガオの花が咲いています。もう2週間もすると梅雨が明け、夏休みが始まります。 

 まだ夏本番ではないのに、報道では熱中症で搬送される方が全国的に多発しているようです。読者の皆さま、夏バテ予防に当ブログの 「熱中症」 カテゴリーをご参照ください。

 世ではアベノミクスの功罪が取りざたされていますが、この先TPPでアメリカから巨大な外圧がかかり、輸出業者は自由貿易を熱望している反面、日本国内の農業・医療が危機的状況になるのでは??と懸念されている昨今の医療情勢です。

 「医が算術」 では困りますが、無い袖は振れないのも事実、一昔前と異なり、国の財政が赤字の今は医療福祉にも適正にお金を使わないといけない時代です。

 そんななかで混合診療についての記事を目にしました。いいことばかりとは限らないようです。

 問題がないわけでもなく、ひいきするわけではありませんが、国民皆保険という日本の医療制度は、他国のように巨額のお金がないと病気やけがの治療ができない状況に比べて世界的にみても素晴らしいものであり、上手に運用して継続すべき制度だと思います。

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130710_asahi_okane以下記事

「混合診療」にまつわる三つの誤解を解く 早川幸子さんの お金のミカタ 朝日新聞平成25年7月6日(土)  be青

 理解したい保険診療の意味

 阿部内閣は平成25年6月14日,規制改革に関する 「骨太の方針2013」 など三つの方針を閣議決定した。医療分野では健康保険がきかない 「先進医療」 を拡大することなどが打ち出されており、気の早いメディアでは 「混合診療の全面解禁に道筋?」などと報じている。

 混合診療が規制されていることはおかしいと誤解している人は多いが、全面解禁されると費用面でも安全面でも不安なことも出てくる。そこで、今回は混合診療にまつわる三つの誤解を解いておきたい。
        ☐          ☐
誤解① 「日本の医療制度は融通が利かず硬直的だ!」

 健康保険を使って治療を受ける場合、国が認めた 「保険診療」 と 保険が効かない 「自由診療」 を同時に行う 「混合診療」 は原則禁止されている。ただし、がんや難病を患っていて他に治療法のない患者などには、健康保険が適用されない治療でも試したいという人はいる。

 こうした患者の選択肢を増やす目的で作られたのが 「先進医療」 で、厚生労働大臣が特別に認めた自由診療については保険診療との併用を認めている。

 先進医療には健康保険が適用されないので、全額自己負担になるが、それと同時に受けた保険が効く検査や治療は通常通り3割負担(70歳未満)で済む。

 このようにすでに混合診療は部分的には認められているのだが、正しく理解されず、「日本の医療制度は硬直的だ」 といった批判を生んでいる。

誤解② 自由診療の方が 「良い治療」 を受けられる!

 健康保険が適用される治療は 「標準治療」 とも呼ばれ、科学的根拠に基づいて現時点で利用できる最良のものだ。

 医療は病気やけがを治すのが目的だが、その行為は少なからず体にダメージを与える。そのため、新しい薬や医療技術は厳しい臨床試験を経て、安全性と有効性が確認されて初めて医療現場で使われるようになる。そして実績が積み重ねられて評価が定まったところで健康保険が適用される。

 健康保険が適用されるかどうかは医療の安全を守る役割をも果たしている。

 一方、自由診療には、研究の最終段階まで来ていて、将来的に健康保険の適用を受けられる可能性の高いものもあれば、臨床試験で安全性や有効性が担保されておらず、効果がはっきりしないものもある。健康被害が起きても責任の所在があいまいで、医療費も全額自己負担だ。

 混合診療が全面解禁されると、評価の定まらない薬や医療技術が広く使われる恐れがあり、医療の安全が揺らぎかねない。

誤解③ 混合診療を全面解禁したほうが、国民負担は軽くなる。

 先進医療が特例的に混合医療として認められるのは、それがいずれは保険適用になる可能性が高いからだ。保険外の費用を患者が全額負担するのは、保険承認されるまでのいわば経過的な措置であり、いずれは誰もが少ない負担で受けられるようになるのが目標だ。

 ところが混合診療が全面解禁されると 「健康保険が適用される治療はここまで」 とあらかじめ線引きされてしまう懸念がある。

 必要性が高く、高価でも売れる薬などを開発した場合、企業は手間のかかる保険適用を目指さ
ず、自由に価格を決められる自由診療で売っていくことも想定される。

健康保険の適用範囲は狭まり、お金がないと受けられない医療が増えてしまう。
 
       ☐          ☐

 患者が望めば、先進医療の枠組みで健康保険適用前でも使用できる薬や治療は増えている。こうした実態を十分理解しないまま、ビジネスチャンス到来とばかりに、混合診療の全面解禁をあおる風潮に乗ってしまえば、医療費の増加に苦しむことになりかねない。何がメリットか、自分の頭で考えたい。
以上 

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