12月3日(火) 曇り
タイヤを替え、医院の消雪パイプの点検を行うなど、冬の準備を始めました。
冷たい時雨が降る朝、虹が架かっていました。白鳥も毎日頭上を飛んでいきます。もうすぐ雪が降ります。
寒くなるとトイレが近くなります。夜中にトイレに起きたりもするようになります。
田舎の何でも内科である当院にも、壮年以降の男女からときどき ”しもの方” に関する相談があります。
そんな時には、男性なら前立腺肥大、女性なら過活動膀胱の症候と照らし合わせて、一時しのぎ的に投薬を行い、改善がなければ泌尿器科の受診をお勧めしています。
また、投薬により症状が改善しても、専門医でなければ診断できない腫瘍などの病気の可能性があるため、後日泌尿器科にかかってもらうようにしています。
新聞に 「過活動膀胱」 の記事が載っていました。
女優の野際陽子さんのテレビコマーシャルが一時放映されていましたが、外出時に失禁したりする危険があり、年配の女性には大問題です。
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過活動膀胱 40歳以上810万人~改善できます、尿漏れや頻尿 朝日新聞 平成25年12月3日(火)
急に我慢できないほどの尿意をもよおし、漏らしてしまったり、頻尿になったりする過活動膀胱。
悩んでいる人は、40歳以上で、810万人いるといわれている。命にかかわる病気ではないが、仕事や睡眠が妨げられるなど生活に支障が出かねない。近年、副作用の少ない薬が登場し、治療の選択肢は広がっている。
副作用少ない薬登場
埼玉県の女性79歳は、10年ほど前から急にトイレに行きたくなり、頻尿にも悩まされるようになった。多い時には1日12回以上トイレに行き、我慢できずにもらしてしまう。受診した日大板橋病院で過活動膀胱と診断された。
過活動膀胱は、膀胱が収縮し過敏に働くことで起きる。急に尿意をもよおし、漏らしてしまったり、昼も夜も頻尿になったりする。男女差はなく、40歳以上の12.4%にみられると推計される。
女性は加齢や出産で膀胱や尿道を支える筋肉が伸び、弱くなることで起きるようだ。弾性波前立腺肥大症によって、尿道が圧迫され、膀胱に負担がかかって起きることが多い。
治療には膀胱の収縮を抑える抗コリン薬を使う。以前は1日2回飲むタイプが多かったが、近年、1日1回飲むだけで効果が長く続くタイプが登場。2013年には、おなかや太ももなどに1日1回、湿布のように張り付けるタイプも公的医療保険が適用となった。
抗コリン薬は患者によって尿の出が悪くなるほか、口の渇きや便秘などの副作用がある。
2011年には、交感神経を刺激して膀胱を緩めるミラベグロンという薬が発売された。尿のでは悪くならず、口の渇きなどの副作用もほとんどない。日大泌尿器科の高橋悟教授曰く
「さまざまな薬が登場してきたことで、症状に合わせ治療の選択肢が広がっている」
訓練や筋トレも効果
体操や訓練でも治療効果が期待できる。その1つがオシッコをしたくなってもすぐにトイレに行かずに我慢する膀胱訓練。はじめは2~3分我慢し、過ごしずつ時間を伸ばして膀胱に尿をためられるようにする。
もう1つは膀胱や尿道を支える筋肉を鍛える骨盤底筋体操。椅子に座った状態や仰向けに寝た状態で、肛門や腟を絞めたりゆるめたりする。3か月ほど続けることで効果が出てくる。
国立長寿医療研究センターの吉田正貴 手術・集中治療部長曰く
「膀胱訓練を続けることで尿意(切迫)がなくなる人もいる」
骨盤近くの筋肉に電気で刺激を与えて、膀胱の収縮を抑える治療もある。現在、国内で公的医療保険が使えるのは低周波を流す治療だけだ。ただ、お尻や下腹部に電極をつける必要があり、治療中にピリッとした痛みがある。
磁気刺激も有効だ。2013年に医療機器として承認された、磁場を発生させる装置つきの椅子に、1回20分ほど座って治療する。痛みはなく、服を着たままで治療でき、電気よりも膀胱の収縮を押させる効果は高いという。
獨協医科大 排泄機能センター長の山西友典 氏は以下のように話す。
「自覚症状があっても 『恥ずかしい』 と病院に行かない人も多い。治療を組み合わせると多くの患者は症状が改善する。頻尿・失禁などの症状があれば泌尿器科の専門医に是非相談してほしい」 (土肥修一)
記事以上
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