2月23日(土) 晴れ
3月も近いのに雪が降り積もり、路面は凍結する日が続いています。
インフルエンザ(A型)の流行は収束に向かっている印象がありますが、近隣ではB型の流行しているという噂もあります。インフルエンザワクチンを接種した患者さんの大半は、A型インフルエンザに感染しても鼻風邪程度で住んでいたようですが、B型に対しては果たして効果があるのかどうか…。人混みを避け、止むを得ない場合はマスクをして帰宅したらうがい手洗いを励行して下さい。
2月21日、ヘリコバクターピロリが感染した萎縮性胃炎の除菌治療がついに保険適応となりました。開業医で胃炎の根本的治療、ひいては胃癌の予防ができるようになります。阿賀野市の近隣にお住まいの方は是非当科にご相談下さい。
さて、朝日新聞にダニから感染する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の記事が載っていました。昨年、虫さされが原因の不明熱(ツツガムシ病疑い)を経験しましたので、人ごとではないと思いました。
(当ブログ: 2012年7月 症例13,14 最近経験した地雷的症例2例 ツツガムシ病と子宮外妊娠http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/07/post_e3ff.html
関連記事:2011年7月 ツツガムシ病 昔は阿賀野川流域も大流行地だった
http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/07/post_3ca0.html )
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ダニ恐々 朝日新聞 平成25年2月20日(水)
野外のマダニから広がる新しい感染症で、広島県の成人男性の死亡が確認された。4人目の死者となり、他に疑い例も9件寄せられている。これからマダニが活動的になる春を迎える。SFTSウイルスにはどんな特徴があり、何に気をつけたらいいのだろうか。
広島の男性、4人目 ・ 昨年の死亡例、次々判明
「発熱や血小板の減少といった症状は日常的に診ている。下血は必ずある症状なのか」
広島県は19日夜、県内で重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による死者が初めて確認されたのを受け、県庁内で保健所担当者、医師らを集めた会議を開いた。参加した医師からマダニによって広がる新感染症の、国への報告基準について戸惑う声も上がった。
これまで厚生労働省には、西日本だけでなく、、東日本も含めた医療機関や保健所から問い合わせが約30件寄せられている。検査待ちの検体が9例あるという。
この感染症は2009年に中国での集団発生が報告され、2011年にウイルスが特定された。
国内で始めた確認されたのは2013年1月末。昨秋亡くなった山口県の女性で、主治医が血液検査を国立感染症研究所に頼んだのがきっかけとなった。
これを受け厚労省が疑わしい例の情報提供を求めたことで、保存されていた血液などの検体が寄せられ感染が判明。2月13日には愛媛、宮崎両県で昨秋死亡した成人男性が感染していたことがわかった。
いずれも発熱など症状が現れてから1週間から半月で死亡し、原因は特定されていなかった。直近の海外渡航歴はないという。厚労省や4件の担当者は、年齢や直前の行動など詳しい情報について 「遺族が、特定されるのを心配している」 (田村憲久厚労省)として明らかにしていない。
マダニは全国に分布し感染実態は明らかにならないことから不安は広がる。静岡県内の保健所にも地元の女性から 「農作業に出るのにどんな格好をしたら良いのか」 と問い合わせがあったという。
いつ・どこで・なぜ感染? 国内経路 調査これから
感染すると1~2週間の潜伏期の後、発熱や下痢、腹痛などの症状が出る。白血球や血小板の減少が起きることもある。
中国では山東省、河南省など7省から200人以上の感染者が出て、致死率は12%と報告された。ワクチンや治療薬はなく、熱や出血などへの対症療法が中心だ。
SFTSウイルスをもつダニは、家屋にいるイエダニではなく、草原などにいるマダニ類だ。中国の流行地域でもウイルスを持っていたダニは5.4%と報告された。患者の97%は山間部に住む農作業の関係者だった。
ダニ以外からの感染経路はあるのか。
国立感染症研究所の西條政幸ウイルス第一部長によると、中国では患者を介護する際、血液に触れた家族が感染した例も報告された。
ダニの生態に詳しい馬原アカリ医学研究所(徳島県)の藤田博己所長によると、中国では蚊などの昆虫からSFTSウイルスは検出されず、ダニ以外からの感染の可能性は低いとみられる。ただ、ウイルスを持った哺乳動物の血液に素手で触れるなどして感染することはあり得るという。
国内での感染経路ははっきりしない。
患者4人にダニに咬まれた後は見つかっていない。医師が診断したら、義務として2013年3月から保健所に届け出るように報告するように、政府は2月19日に決定したばかりだ。
国内のダニなどの調査もこれからだ。
国内で見つかったSFTSウイルスの遺伝子の特徴はほぼ一致していて、中国のものとは異なり、以前から日本国内に生息していた可能性が高いという。
「突然危険なウイルスが出現したわけではないだろう。患者が急増するようなことはあり得ないと思う」
と西條氏談。 (下図はクリックで拡大します)
気をつけることは? 庭でも肌を覆う 症状出たら受診
マダニは野山だけでなく、日本全国の生活圏に近い草原や河川敷などにも普通におり、春から秋にかけて活動的になる。
馬原アカリ医学研究所の藤田氏によれば、人が外で咬まれる他にも、ペットの犬や猫にマダニがくっついて家に持ち込まれ、そこから人が咬まれる可能性もあるという。
マダニは乾燥に弱く、室内では数日で死んでしまうが、家の庭などに居着くこともあるため
「庭作業などでは、なるべく肌の露出を避けた方がいい」
と藤田氏。
マダニは身体の様々な場所にかみつき、数日から1週間ほど血を吸い続ける。イエダニと違い、咬まれてもかゆみや痛みなどは感じず、気付きにくい。しかし吸血すると数mmの成虫が1cm近くにふくれあがり、見つけやすくなる。
咬まれていることに気付いたら、虫体の一部が身体に残らないように除去する必要があり、皮膚科を受診した方がいい。
野山などで活動後、原因不明の発熱、下痢などを発症し心配な場合、内科や保健所などに相談すればいいそうだ。
ダニやその仲間が媒介する感染症には、日本紅斑熱やツツガムシ病などもあるが、これらは抗菌薬で治療出来る。
「マダニに咬まれても必ず感染するわけではない。他の病気の可能性もあるので、しっかり様子を見て欲しい」
と 国立感染症研究所の西條氏談。
※小生注: 開業医は診たことの無い病気は診断することが出来ないので、まず保健所問い
合わせた方が良いのでは?と思いました…
インフルエンザ(A型)の流行は収束に向かっている印象がありますが、近隣ではB型の流行しているという噂もあります。インフルエンザワクチンを接種した患者さんの大半は、A型インフルエンザに感染しても鼻風邪程度で住んでいたようですが、B型に対しては果たして効果があるのかどうか…。人混みを避け、止むを得ない場合はマスクをして帰宅したらうがい手洗いを励行して下さい。
2月21日、ヘリコバクターピロリが感染した萎縮性胃炎の除菌治療がついに保険適応となりました。開業医で胃炎の根本的治療、ひいては胃癌の予防ができるようになります。阿賀野市の近隣にお住まいの方は是非当科にご相談下さい。
さて、朝日新聞にダニから感染する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の記事が載っていました。昨年、虫さされが原因の不明熱(ツツガムシ病疑い)を経験しましたので、人ごとではないと思いました。
(当ブログ: 2012年7月 症例13,14 最近経験した地雷的症例2例 ツツガムシ病と子宮外妊娠http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/07/post_e3ff.html
関連記事:2011年7月 ツツガムシ病 昔は阿賀野川流域も大流行地だった
http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/07/post_3ca0.html )
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ダニ恐々 朝日新聞 平成25年2月20日(水)
野外のマダニから広がる新しい感染症で、広島県の成人男性の死亡が確認された。4人目の死者となり、他に疑い例も9件寄せられている。これからマダニが活動的になる春を迎える。SFTSウイルスにはどんな特徴があり、何に気をつけたらいいのだろうか。
広島の男性、4人目 ・ 昨年の死亡例、次々判明
「発熱や血小板の減少といった症状は日常的に診ている。下血は必ずある症状なのか」
広島県は19日夜、県内で重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による死者が初めて確認されたのを受け、県庁内で保健所担当者、医師らを集めた会議を開いた。参加した医師からマダニによって広がる新感染症の、国への報告基準について戸惑う声も上がった。
これまで厚生労働省には、西日本だけでなく、、東日本も含めた医療機関や保健所から問い合わせが約30件寄せられている。検査待ちの検体が9例あるという。
この感染症は2009年に中国での集団発生が報告され、2011年にウイルスが特定された。
国内で始めた確認されたのは2013年1月末。昨秋亡くなった山口県の女性で、主治医が血液検査を国立感染症研究所に頼んだのがきっかけとなった。
これを受け厚労省が疑わしい例の情報提供を求めたことで、保存されていた血液などの検体が寄せられ感染が判明。2月13日には愛媛、宮崎両県で昨秋死亡した成人男性が感染していたことがわかった。
いずれも発熱など症状が現れてから1週間から半月で死亡し、原因は特定されていなかった。直近の海外渡航歴はないという。厚労省や4件の担当者は、年齢や直前の行動など詳しい情報について 「遺族が、特定されるのを心配している」 (田村憲久厚労省)として明らかにしていない。
マダニは全国に分布し感染実態は明らかにならないことから不安は広がる。静岡県内の保健所にも地元の女性から 「農作業に出るのにどんな格好をしたら良いのか」 と問い合わせがあったという。
いつ・どこで・なぜ感染? 国内経路 調査これから
感染すると1~2週間の潜伏期の後、発熱や下痢、腹痛などの症状が出る。白血球や血小板の減少が起きることもある。
中国では山東省、河南省など7省から200人以上の感染者が出て、致死率は12%と報告された。ワクチンや治療薬はなく、熱や出血などへの対症療法が中心だ。
SFTSウイルスをもつダニは、家屋にいるイエダニではなく、草原などにいるマダニ類だ。中国の流行地域でもウイルスを持っていたダニは5.4%と報告された。患者の97%は山間部に住む農作業の関係者だった。
ダニ以外からの感染経路はあるのか。
国立感染症研究所の西條政幸ウイルス第一部長によると、中国では患者を介護する際、血液に触れた家族が感染した例も報告された。
ダニの生態に詳しい馬原アカリ医学研究所(徳島県)の藤田博己所長によると、中国では蚊などの昆虫からSFTSウイルスは検出されず、ダニ以外からの感染の可能性は低いとみられる。ただ、ウイルスを持った哺乳動物の血液に素手で触れるなどして感染することはあり得るという。
国内での感染経路ははっきりしない。
患者4人にダニに咬まれた後は見つかっていない。医師が診断したら、義務として2013年3月から保健所に届け出るように報告するように、政府は2月19日に決定したばかりだ。
国内のダニなどの調査もこれからだ。
国内で見つかったSFTSウイルスの遺伝子の特徴はほぼ一致していて、中国のものとは異なり、以前から日本国内に生息していた可能性が高いという。
「突然危険なウイルスが出現したわけではないだろう。患者が急増するようなことはあり得ないと思う」
と西條氏談。 (下図はクリックで拡大します)
気をつけることは? 庭でも肌を覆う 症状出たら受診
マダニは野山だけでなく、日本全国の生活圏に近い草原や河川敷などにも普通におり、春から秋にかけて活動的になる。
馬原アカリ医学研究所の藤田氏によれば、人が外で咬まれる他にも、ペットの犬や猫にマダニがくっついて家に持ち込まれ、そこから人が咬まれる可能性もあるという。
マダニは乾燥に弱く、室内では数日で死んでしまうが、家の庭などに居着くこともあるため
「庭作業などでは、なるべく肌の露出を避けた方がいい」
と藤田氏。
マダニは身体の様々な場所にかみつき、数日から1週間ほど血を吸い続ける。イエダニと違い、咬まれてもかゆみや痛みなどは感じず、気付きにくい。しかし吸血すると数mmの成虫が1cm近くにふくれあがり、見つけやすくなる。
咬まれていることに気付いたら、虫体の一部が身体に残らないように除去する必要があり、皮膚科を受診した方がいい。
野山などで活動後、原因不明の発熱、下痢などを発症し心配な場合、内科や保健所などに相談すればいいそうだ。
ダニやその仲間が媒介する感染症には、日本紅斑熱やツツガムシ病などもあるが、これらは抗菌薬で治療出来る。
「マダニに咬まれても必ず感染するわけではない。他の病気の可能性もあるので、しっかり様子を見て欲しい」
と 国立感染症研究所の西條氏談。
※小生注: 開業医は診たことの無い病気は診断することが出来ないので、まず保健所問い
合わせた方が良いのでは?と思いました…
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