2014年8月3日日曜日

超音波による血管プラーク検査の重要性 書籍「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」 真島康雄 幻冬舎   2012年9月13日 記事

9月13日(木) 晴れ

 駐車場には赤とんぼの姿も見られるようになってきました。
 朝夕涼しくなって、ほっとする昨今、夏ばてを感じる頃でもあります。来院者に風邪引きの方が目立つようになりました。寝冷えにはお気をつけて下さい



 検診シーズンが終わり、血圧や血糖・コレステロール、胃のバリウム検査で異常が見つかった患者さんも、ちらほら来院され始めました。

 皮膚に現れる内科の病気もありますが、内科の内臓疾患の多くは、体の奥深く ”人の皮” をかぶって潜んでいますので、体の中をのぞいてみる内視鏡やエコー検査が威力を発揮します。

 検診に引っかかって、血圧・血糖・コレステロール・血圧・肥満・高尿酸血症のいずれか2つ以上の項目に異常がある方には、当院では

 内頚動脈エコー検査

という、動脈硬化の進行度を目で見る検査お勧めしています(おまけに甲状腺もチェックしていますが、偶然、甲状腺腫瘍が見つかり、早期治療につながって感謝してくださった患者さんもいらっしゃいました)。

 動脈硬化の精密検査である内頚動脈エコー検査では、血管内膜の肥厚・血管プラーク(大雑把に言うと、コレステロールでできた血管内の ”こぶ” です)を計測し、血管の詰まりやすさを予測します。
120912keidomyaku 
















上の画像で  Aは正常人の内頚動脈、  Bは(長年の糖尿病や高脂血症のため)、血管プラークが大きくなり、血液が流れにくく、かつ血栓が詰まりやすくなった内頚動脈です(画像は以下から) http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/brain/pamph28.html

 内頚動脈のエコー検査で、脳梗塞の危険性を調べることはこれまでも行われてきました。

 が、2007年のある日、偶然、日常診療のなかで、首の動脈が詰まりそうになっていなくても、心筋梗塞になってしまった患者を見つけた九州の開業医が、従来の首の血管プラークだけでなく、右胸~右腕の付け根の動脈のプラークの重要性に気づきました。

 その後、症例を重ねて

より心臓に近い右鎖骨下動脈の血管プラークが脳梗塞・心筋梗塞の指標としてより重要

という結論にたどり着き、
生活習慣改善 [肉より魚、野菜と海藻を食べて、砂糖をできるだけ控える]
の重要性を説いたのが、

「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」 真島康雄 幻冬舎

です。

 この本を読んで以来、小生は内頚動脈と一緒に、鎖骨下動脈を見てみるように努力しています。

 自分の体内で、動脈硬化がまさに起きつつある画像を目にし、脳梗塞・心筋梗塞の危険があるという状態が明らかにされると、患者さんは慌て、治療の重要性に気づいてもらえます。

 そういう方には、服薬治療の他に、従来の日本食が身体に良いという事を説明・指導しています。

 猛暑が去ったこの季節、あらたに散歩などの有酸素運動を始めたり、食生活について反省してみてはいかがでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿