2014年8月13日水曜日

高血圧と病気 今さら聞けないプラス 朝日新聞be 平成25年8月10日(土)    2013年8月11日 記事

8月11日(日) 休日診療 晴れ

 猛暑です。気温が40度を超える地点があったと報道されています。
 
昔、日本の最高気温は山形県で記録された、と社会で習った記憶があります。温暖化が当たり前になってしまっていますが、漁業や農業に大きな影響がでなければいいなと不安に思うことが度々あります。

 高血圧関連疾患に関しての図説が新聞に載っていましたので、アップします(文中多少補遺あり)。
 
当地では現在市の検診期間中ですが、もし 「高血圧」 と指摘されたら、20年後の合併症を減らすために早期に治療を開始して頂きたいと思います。

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高血圧と病気 今さら聞けないプラス 朝日新聞be 平成25年8月10日(土)

 私は30代半ばですが血圧が高めです。高血圧はいろいろな病気を引き起こすといわれていますが、なぜなのかそのメカニズムを調べてみました。
 
血圧とは血液が流れる際に血管壁にかかる圧力のことです(水で風船を膨らませた際、風船の内側にかかる水圧と同じです)。血圧計で血圧を測定すると2つの数字が表されますが、上野数字は心臓が縮んで血管に圧力がかかった時の、下の数字は心臓が膨らんだ時の圧力を示しています。
圧力が高すぎて血管がダメージを受けるとさまざまな病気の原因となります。

 血圧が関与する病気の代表格が、脳の血管が高い血圧に耐えられず破れてしまう 「脳出血」。もう一つは、高い圧力に耐えられるように血管の壁が分厚く硬くなってしまう 「動脈硬化」 です。

 高い血圧で血管の壁が傷つくと、内部に油分のコレステロールが入り込み、血管の通り道はさらに狭くなり、狭くなれば血圧がさらに上がるという悪循環が起きます。

 血液が流れにくくなったり、詰まったりして起きる病気が 「脳梗塞」 や 「心筋梗塞」。腎臓の血管が硬くなって、おしっこを作り出す機能が低下する 「腎硬化症」 という病気もあります。

 血圧が高くになるにつれて危険性も高まります。
たとえば脳出血と脳梗塞を合わせた 「脳卒中」 では

血圧が120/80mmHg を下回る60歳以上の人の年間発症率は    
0.73%
一方で、

上が180mmHg以上 または 下が110mmHg以上ある人だと 
6.17% と 9倍 近くになります。

 日本高血圧学会のガイドラインでは、上の血圧が140以上か、下の血圧が90以上の人、または血圧を下げる薬を飲んでいる人が、 「高血圧」 とされます。ガイドラインによると、日本人の高血圧患者は4000万人と言われています。

      ☐        ☐

 肥満や飲酒も影響しますが、神戸大の石田達郎准教授(循環器内科)曰く

 「日本人の場合は食べ物中の塩分が大きな原因」

 塩分を取りすぎると、血液に含まれる塩化ナトリウムの濃度が濃くなります。これを薄めるために水分を取り込むことで血液の量が増えて、血管がパンパンになり血圧が上がることになります。

 日本人は塩分を 11~12g/日 摂っていますが、ガイドラインではこれを 6g/日 まで減らすことを進めています。

130810_asahi_ht_2      ☐        ☐    

 ところで血圧を測る血圧計はどんな仕組みなのでしょうか。

 計測の時は 「腕帯」 と呼ばれる帯を腕に巻き、中に入っている風船に空気を入れて膨らませ、
動脈を押しつぶします。そこから空気を少しずつ抜き、動脈にかける圧力を下げていきます。

 腕帯の圧力が動脈内の圧力を下回り、つぶされていた血管壁が押し返され広がり始めると、ドクッ、ドクッ という拍動が聞こえ始めます。この時の腕帯の圧力が上の血圧に当たります。圧力をもっと下げ、血管が完全に開通して拍動音が聞こえなくなった時の圧力が下の血圧です。

 健康診断では医師や看護師が腕に聴診器を当て、動脈の拍動音を聞きます。家庭用の血圧計では、音とは別の振動を機械が測ります。国内最お大手のオムロンヘルスケアによると、初の家庭用血圧計は1978年に発売され、いまではほかのメーカーも含めて年間300万台が出荷されているとのことです。

 血圧は一日中同じではなく、一般的に朝高く、夜になるにつれて下がります。

 医師が測ると緊張して上がってしまう 「白衣高血圧」 と呼ばれる現象もあります。前出の神戸大・石田氏は 「継続的に血圧を記録することが大事」
と話します。

 ※小生注 当院でも自宅で起床後1時間以内の血圧を記録していただいています。
        血圧の、一番高い山をつぶさないと治療効果に乏しいので、ご面倒でも早朝の
        血圧測定を励行してください 

 毎日血圧を記録するのは大変そうですが、ものぐさな人に向いた血圧計もあります。測定した値をネット上に登録し、推移グラフを自動で描くサービスです。NTTドコモとオムロンヘルスケアが出資した会社が運営するサイトでは3万2000人がそのサービスを使っているそうです。  
 (小宮山亮磨)

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