2014年8月4日月曜日

過去のお知らせ(”がんで泣くより笑って予防 第29回がん征圧県大会” 新潟日報 平成24年10月28日(日))  2012年10月28日 記事

10月28日(日) 雨

 冷たい雨が降る1日でした。明日も風邪の患者さんが多くなる予感がします。風邪を引かないよう、うがい・手洗い・マスクの着用を励行願います。

 新聞に今年のがん征圧新潟県大会[第29回](9月21日)の記事が載っていましたのでアップしました。[特別講演の 小林正明准教授 (新潟大学医歯学総合病院) は小生の先輩に当たり、医局時代にご指導いただいた方です]

胃癌の診断と治療に関する新聞記事の抜粋をアップします。

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以下 新聞記事より抜粋 + わかりやすく編集

Q: 最近の内視鏡治療は大きな病変も切除できると聞いた。本当か?

A: 「はい」 ただし、病変の性質(低分化型、未分化型など)によっては外科手術が好ましい。
 粘膜内がんで、かつ、がん組織がまとまっている分化型の胃癌ならば、内視鏡下手術により、直接粘膜下層をはぎ取って、大きな病変も切除可能である。近年開発された内視鏡的粘膜下層剥離術 [ESDと略す] は、手術と同等の根治性を保ちながら患者の身体的負担が手術より少ないことより、需要がいっそう高まっている。
 しかし、全ての早期胃がんを内視鏡治療出来るわけではないことも申し添えておく。

Q: 内視鏡の性能向上によって、小さな病変でも正確に診断出来るようになったのか?

A: 「はい」 おっしゃるとおりです。
 近年、内視鏡の性能向上は著しく、新たな画像診断法としてNBI併用拡大内視鏡が登場した。これにより、胃がん表面の微小血管構築像や表面微細構造が観察でき、がんの組織型につきある程度予測が可能になった。
 治療成績の向上には 「がんの範囲や切除する部分はどこから何処までか」 等に関する、正確な術前診断が必須であり、NBIが小病変の診断や病変範囲診断に威力を発揮している。

Q: 胃がんはピロリ菌の感染低下に伴って、自然に減少するから心配ない?

A: 部分的に 「おそらく、はい」
 ピロリ菌によって慢性胃炎が発生し胃粘膜の炎症や萎縮が進むことから、胃癌が発生しやすくするというメカニズムでのピロリ菌の関与は疑う余地がない。
 早期胃がんの内視鏡治療後、ピロリ除菌を行うと、その後に発生する多発癌が約3分の1に減少することが明らかになり、現在、保険で早期胃がんの内視鏡治療後のピロリ除菌が可能となっている。
 日本では発がんリスクの高い高齢者は、ピロリ菌保有率も高いため、胃癌はまだ経る段階に至っておらず、胃癌の自然撲滅はまだ先の話になろう。

Q: ピロリ菌を退治するれば胃癌は発生しないのか?

A: いいえ、除菌後も胃癌になることもあります。油断は禁物
 除菌後の胃癌発生のリスクは3分の1ほどに低下しますが、全ての胃癌が発生しなくなるわけではありません。除菌治療は万能ではありませんので、検診は欠かさずに受けていただきたい。

 新潟県は、胃癌多発県で、全国統計で男性は1位、女性も2位という状況です。

 そんな中で、新潟市では2003年から内視鏡による胃癌検診が行われ、バリウム検査に比べて高い発見率を示し、発見される病変の80%以上が早期胃がんという状態です。年々受信者が増加、さらに検診の有効性が死亡率減少効果にも現れています。

 胃癌は粘膜内癌の段階で見つかれば、ESDで確実に治療出来る時代になりました。しかも高性能の内視鏡が登場し、一層効果的な治療が出来るようになっています。

 検診で早期発見、早期治療が出来れば、胃癌は怖くない病気になっています。是非胃癌検診をお受け下さい。

以上 記事

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 残念ながら、当阿賀野市では内視鏡による胃癌検診は実現していませんが、要精査・二次検診の方は、うちだ内科医院 tel 0250-61-2020 まで御連絡下さい。内視鏡専門医・消化器病専門医が苦痛の少ない経鼻内視鏡を用いて検査いたします。当院にかかったことのある方なら、お電話で胃カメラの予約が可能です。

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当ブログ関連記事: 

2012年2月 看護師の体験談~経鼻細径ファイバースコープによる胃内視鏡検査  http://utida-
naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/02/post_219b.html

2011年9月 今どきの早期胃癌の内視鏡手術 ESDについて http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/09/esd_4c2e.html

2011年7月 胃カメラの電話予約できます http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/07/post_dbcd.html

2011年6月 看護師の立場からみた、がんの早期発見の意義~胃内視鏡検査のススメ http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/06/post_1d7e.html

2011年5月 小生の悲願 苦痛の少ない胃カメラで胃がんを早期発見→内視鏡治療で! http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/05/post_9058.html

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