2014年8月8日金曜日

冬の入浴 寒暖差が大敵 朝日新聞 生活面 平成25年1月19日(土)   2013年1月23日 記事

1月23日(水) 晴れ


インフルエンザが猛威を振るっています。

 当院にも38度以上の発熱患者さんが押し寄せてんてこ舞いです。

 ふと気が付くとワクチンを接種していた方はインフルに感染しても普通の風邪程度の症状で済んでいるようです。

 今からワクチン接種しても今季の流行には効果がありませんが、読者の方には、来季の流行対策として10月になったらインフルエンザワクチン接種を受けることを強くお勧めします。

 先日の新聞記事で入浴にともなう危険・事故の記事が載っていましたので取り上げました。お風呂好きの人は多いと思いますが、かえって健康被害を引き起こすこともあることを肝に銘じ、脱衣所を温めておくようにしてください。 

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(以下記事)

冬の入浴 寒暖差が大敵

 厳しい寒さが続く冬、お風呂場で入浴中に倒れる事故が、各地で相次いでいます。 「入浴死」 の数は、お年寄りだけで年1万7000人に上り、交通事故の死者数を大きく上回るとの推計もあります。なぜ起きるのか、どうすれば防げるのか、すぐできる対策も含めて紹介します。

高齢者の死、年推計 1万7000人!?
 昨年12月25日夕、茨城県龍ヶ崎市の民家で、46歳男性と生後5ヶ月の]女児が浴槽で意識を失い、亡くなった。県警によると、男性の死因は心筋梗塞、女児は水死。男性が発作を起こした後、女児が溺れたらしい。男性は以前から動脈硬化症を患っていたという。この日午後6時頃の気温は5℃弱。地元の医療関係者は 「寒さが影響したのでは」 と話す。
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 寒い冬、入浴中に心臓や脳血管の発作などで倒れる人は後を絶たない。

 厚生労働省によると全国の入浴中の死者数は溺死に限って把握しているものの、それ以外の死因も含めた統計はないという。

 東京都健康長寿医療センターが東日本23都道県の362消防本部のデータを集計したところ、入浴中に心肺停止でなくなった65歳以上の高齢者は2011年に4252人に上った。うち80歳以上が2438人と過半数。また、約6割が12月から3月までの冬場の発生だった(右図参照)。

 同センターは、全国の高齢者の死者数を1万7000人と推計。担当者は 「湯につかる習慣は欧米などにはなく、日本特有の問題だ」 と話す。

 過去の入浴死を調べてみると、持病のある人ばかりではない。なぜなのか。

 同センターの高橋龍太郎・老人総合研究所副所長は

 「寒暖差で血圧が急に変化する『ヒートショック』現象が原因の一つ」 
と語る。

 寒い脱衣所で服を脱ぎ、身体が冷えると血管が急速に収縮し血圧が上昇、脳出血などを引き起こす場合がある。またその後しばらく熱い湯につかると、血管が緩んで血圧が急に下がり、意識障害や心停止につながることもある。

 冬場は普段いる部屋や脱衣所・風呂場、湯船の間で温度差が大きく、血圧の上下に耐えづらい高齢者の死亡が多いという。

高橋副所長は 
ヒートショックは健康な人にも起こりうる。温度差を小さくすることが大事」 
と説く。

 一方、慶応大の堀進悟教授(救急医学)は 「熱中症が原因であることも多い」 と指摘する。

 熱い湯につかって体温が上がると、気づかぬうちに熱中症に陥り、意識を失って溺れたり、心停止したりする。汗をかきにくく体温調節のうまくいかない高齢者は、より熱中症になりやすいという。

湯はぬるめ/水分補う  どうすれば入浴死を防げるのか。
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山形県の庄内保健所は3年前からこの問題に取り組む。09年11月から1年間、人口30万人の管内の入浴事故を調べたところ、死者は42人。交通事故死の4倍以上とわかった。調査結果から、熱い湯の悪影響も浮かび上がった。

 そこで 「庄内41℃(よい、と読む)ふろジェクト」 と名付けた活動を開始。 「湯温は41℃以下」 を柱に、パンフレット配布や出前講座などを続ける。担当者は 「まず知ってもらい、注意を促し、事故を減らしたい」。

 厚労省も実態把握に動き始めた。今年度に入浴事故対策研究班を設け、山形、東京、佐賀の3都県で入浴関連の死亡例や搬送例のデータを収集、経緯を詳しく調べ予防に役立てることにしている。

 冬場の入浴事故については、政府や医療団体などがたびたび注意や予防策 (右図参照) を呼びかけてきた。日常生活の中で、温度や血圧の急な変化を避けるための工夫はいろいろある。 「お風呂は何よりの楽しみ」 という人は、老若男女を問わず多い。

 だが、厚労省の研究班の代表でもある堀教授は 
「『入浴は危険』 という認識を持つべきです。」 とアドバイスする。
                   (畑山敦子、本山秀樹)
            (以上)

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