2014年7月21日月曜日

検診結果のみかた その1 コレステロール 2011年6月7日記事

 昨日までとは違い、今日は気温25度以上の暑い日です。みなさま、体調はいかがでしょうか。

 これから蝉の声が聞こえるようになる頃には、検診シーズンに突入します。そして秋口から検診結果が受診者の元に郵送され、精密検査や治療が必要な方が医療機関を受診するはずです。

 検診項目は、日常生活では見慣れない横文字と数字の羅列から成り立っていますが、無味乾燥に見える数字にも、それなりに見るべきポイントがあります。そこのところを本日より簡単に解説してみたいと思います。

 ところで小生は開業の前に、

 「経営者になるなら簿記や決算書の読み方も覚えなきゃ」

と、その手の本を数冊読んでみましたが、結果的には

 「よく理解できないということがわかった」

程度に終わりました。決算書を大雑把に把握するためのポイントや、注意すべきポイントのいくつかはその場ではわかった気になりましたが、すでに小生の記憶からは蒸発してしまいました。

 かような小生の失敗体験を踏まえ、ポイントは簡単な言葉で、多くとも3つまでに絞らないといけないと悟りました。

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 さて、今回取り上げるコレステロール値についてのポイントは、要注意の人は以下のような数字の人です。検診結果のプリントを見るときには、以下の 3つだけ、ご注意ください。 

1.LDLコレステロール(悪玉)が 140 より高い
2.HDLコレステロール(善玉)が 40 より低い 
3.LDL/HDL(悪玉 対 善玉 の比) 2 より 大きい

たとえばこんな数字の時、 LDL=160 HDL=35 LDL/HDL=4.6
だと悪玉コレステロールが多くて善玉コレステロールがすくない、治療が必要な状態です。
 放置すると動脈硬化により血管が詰まってしまう脳梗塞や心筋梗塞になって死んでしまう率が著しく上昇します。

 上記項目3.については脳卒中を起こした患者を対象にした研究から引用しました。
 LDL/HDL が1.5以下の患者と2以上の患者の群に分けて、3年間で脳卒中の再発率を見たところ、後者の患者群での再発率が15%も高かったという報告があります。

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 上記はあくまでも目安です。本来であれば、治療ガイドラインに沿って、そのほか性・年齢、喫煙歴や血圧、糖尿病、親兄弟に狭心症や心筋梗塞の人がいなかったか、心筋梗塞で治療を受けたか、などによりもう少し細かくコレステロールの治療域が決められていますが、それは最寄りの医療機関にてお尋ねください。

 地震や津波と異なり、病気の中には発症・悪化を予防することが可能なものもあります。生活習慣病はまさにその範疇に入ります。検診の結果を有効に役立て、健やかな生活~豊かな老後をお送りいただきたいと思います。

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