6月25日(月) 晴
この週末、朝夕の冷え込みで風邪をひきそうになりました。その上、梅雨の湿気のせいか、また腰痛がぶり返しユウウツな週の始まりになってしまいました。
さて朝日新聞にイヌの特集が載っていたので、つい読んでしまいました。早速アップしました。
うちの愛犬は小生の表情を読んでいるのかどうか、帰ったら観察してみようと思います。
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心も空気も読める犬 サルより優れた社会性検証
約1万5千年前、野生のオオカミから分かれて人間の伴侶となったイヌ。身近すぎることがあだとなって、長年動物学の対象から外れていた。ようやくこの十数年、犬の知性や心の働きを調べる研究が盛んになってきた。
「悲しいことがあって落ち込んでいたら犬が慰めに来てくれた」
こんな体験談をよく耳にする。この説は本当なのか?
京都大の藤田和生教授(比較認知学)らは柴犬、テリア、トイプードル、レトリバーなど17頭で試した。
犬に画面や音がわからないようにして、飼い主に3分間ずつ楽しい「トムとジェリー」と悲しい「フランダースの犬」のビデオを見せた。気持ちを理解して「慰めに来る」のなら、悲しいビデオを見ている時、犬はより注意を向けるはず…
結果は逆だった。楽しいビデオの時の方犬は飼い主を長く見つめた。
藤田さんは「落ち込んだ飼い主より、遊んでくれそうな楽しい気分の飼い主の方が好きなのではないか」とみる。
感情そのものを理解できるかどうかはともかく、飼い主の感情による状態の違いが分かるのは確からしい。方法は不明だが顔の様子から読み取っているようだ。
別の研究によれば、飼い主の画像から見知らぬ人の声がしたり、見知らぬ顔から飼い主の声が聞こえたりといった予想外のことが起きると、犬は人間と同様にじっと画像を見つめる。声や画像で飼い主を見分けられることになる。
当たり前と思われそうだが、科学的に示したのは初めて。
犬の視力で二次元の画像を判別できるのはすごいことだ。飼い主の足音も、顔や声で性別も区別できていることも確かめた。
科学者 VS 心理学者
動物の行動や認識をめぐる研究はチンパンジーが有名だが、犬には最近までほとんど目が向けられなかった。
最古の家畜とされる犬は習性や生態が人工的に変えられすぎて、調べる対象に向かないという考えがあったのだ。研究が盛んになったのは1990年代半ば以降。犬の心を知りたいという一般からの要望が強いことも影響しているらしい。
犬の知能はどれくらいか。
中島定彦関西学院大学教授(心理学)は、人間が目の前で隠したものを臭いに頼らず探し出すカナダの実験結果から、人間の1歳半くらいの知恵があることになるとみる。
一般的には犬の知能は人間に近いサルよりも劣るとされてきた。でも、何をもって賢いとするかは見方による。
中身が見えない、餌が入った入れ物と空の入れ物を見分ける実験。片方を人間が振って音がしなければ、チンパンジーは「もう片方にあるはず」と論理的に判断して正しく見分けられるが、犬は苦手だ。
ところが、人間が「こっちだよ」と片方を指さしで教える方法だと、犬は簡単にこなし、利口なはずのチンパンジーはうまくできない。
長谷川寿一東京大教授(動物行動学)は「例えると、チンパンジーは科学者、犬は心理学者」と説明する。
犬もチンパンジーも群れを作る動物だが他者の顔色をうかがって心を読むような社会性は犬の方が優れているかもしれないのだ。
信頼できる人を区別
京都大の高岡祥子非常勤講師らは約30頭を使い、中身が見えない二つの容器のうち、まず餌が入っている方を指さしで教えて選ばせる練習を繰り返した後、一度わざと中身を見せた後で餌が入っていない方を指さすことを繰り返した。そのうえでもう一度、最初と同じように見えない状態で餌がある方を指さした。犬は混乱して間違えたり、選ばなくなったりした。
次に別の約30頭で、餌がない方の指さしまでは同じ手順でした後、人を変えて餌のある方を指さしした。すると別人の指さしには従い正しく選んだ。
この結果から、犬は間違った指示をされたことに対し、指さしという「動作」を信じられなくなったのではなく、誤ったことをする「人」を信じられなくなった、と高岡さんらはみている。
この人は信頼できる、できないという社会的な判断をしている可能性がある。
「人間に遺伝的に近いからといって、心のありようも近いとは限らない。遺伝的には遠い犬の方が、チンパンジーよりも人間に近い心を持っているかもしれない」、藤田さんはそういう。
「飼い主が窮地に陥ると助けを呼びに行く」「何百キロも遠くから戻ってこられる能力がある」。
こういった説の検証も考えられている。犬の心を知る探求も「俗説」の段階から、「実証的な科学」へ急速な発展を遂げる時代を迎えたのかもしれない。
(下図をクリックすると、別ウィンドウに拡大します)
さて朝日新聞にイヌの特集が載っていたので、つい読んでしまいました。早速アップしました。
うちの愛犬は小生の表情を読んでいるのかどうか、帰ったら観察してみようと思います。
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心も空気も読める犬 サルより優れた社会性検証
約1万5千年前、野生のオオカミから分かれて人間の伴侶となったイヌ。身近すぎることがあだとなって、長年動物学の対象から外れていた。ようやくこの十数年、犬の知性や心の働きを調べる研究が盛んになってきた。
「悲しいことがあって落ち込んでいたら犬が慰めに来てくれた」
こんな体験談をよく耳にする。この説は本当なのか?
京都大の藤田和生教授(比較認知学)らは柴犬、テリア、トイプードル、レトリバーなど17頭で試した。
犬に画面や音がわからないようにして、飼い主に3分間ずつ楽しい「トムとジェリー」と悲しい「フランダースの犬」のビデオを見せた。気持ちを理解して「慰めに来る」のなら、悲しいビデオを見ている時、犬はより注意を向けるはず…
結果は逆だった。楽しいビデオの時の方犬は飼い主を長く見つめた。
藤田さんは「落ち込んだ飼い主より、遊んでくれそうな楽しい気分の飼い主の方が好きなのではないか」とみる。
感情そのものを理解できるかどうかはともかく、飼い主の感情による状態の違いが分かるのは確からしい。方法は不明だが顔の様子から読み取っているようだ。
別の研究によれば、飼い主の画像から見知らぬ人の声がしたり、見知らぬ顔から飼い主の声が聞こえたりといった予想外のことが起きると、犬は人間と同様にじっと画像を見つめる。声や画像で飼い主を見分けられることになる。
当たり前と思われそうだが、科学的に示したのは初めて。
犬の視力で二次元の画像を判別できるのはすごいことだ。飼い主の足音も、顔や声で性別も区別できていることも確かめた。
科学者 VS 心理学者
動物の行動や認識をめぐる研究はチンパンジーが有名だが、犬には最近までほとんど目が向けられなかった。
最古の家畜とされる犬は習性や生態が人工的に変えられすぎて、調べる対象に向かないという考えがあったのだ。研究が盛んになったのは1990年代半ば以降。犬の心を知りたいという一般からの要望が強いことも影響しているらしい。
犬の知能はどれくらいか。
中島定彦関西学院大学教授(心理学)は、人間が目の前で隠したものを臭いに頼らず探し出すカナダの実験結果から、人間の1歳半くらいの知恵があることになるとみる。
一般的には犬の知能は人間に近いサルよりも劣るとされてきた。でも、何をもって賢いとするかは見方による。
中身が見えない、餌が入った入れ物と空の入れ物を見分ける実験。片方を人間が振って音がしなければ、チンパンジーは「もう片方にあるはず」と論理的に判断して正しく見分けられるが、犬は苦手だ。
ところが、人間が「こっちだよ」と片方を指さしで教える方法だと、犬は簡単にこなし、利口なはずのチンパンジーはうまくできない。
長谷川寿一東京大教授(動物行動学)は「例えると、チンパンジーは科学者、犬は心理学者」と説明する。
犬もチンパンジーも群れを作る動物だが他者の顔色をうかがって心を読むような社会性は犬の方が優れているかもしれないのだ。
信頼できる人を区別
京都大の高岡祥子非常勤講師らは約30頭を使い、中身が見えない二つの容器のうち、まず餌が入っている方を指さしで教えて選ばせる練習を繰り返した後、一度わざと中身を見せた後で餌が入っていない方を指さすことを繰り返した。そのうえでもう一度、最初と同じように見えない状態で餌がある方を指さした。犬は混乱して間違えたり、選ばなくなったりした。
次に別の約30頭で、餌がない方の指さしまでは同じ手順でした後、人を変えて餌のある方を指さしした。すると別人の指さしには従い正しく選んだ。
この結果から、犬は間違った指示をされたことに対し、指さしという「動作」を信じられなくなったのではなく、誤ったことをする「人」を信じられなくなった、と高岡さんらはみている。
この人は信頼できる、できないという社会的な判断をしている可能性がある。
「人間に遺伝的に近いからといって、心のありようも近いとは限らない。遺伝的には遠い犬の方が、チンパンジーよりも人間に近い心を持っているかもしれない」、藤田さんはそういう。
「飼い主が窮地に陥ると助けを呼びに行く」「何百キロも遠くから戻ってこられる能力がある」。
こういった説の検証も考えられている。犬の心を知る探求も「俗説」の段階から、「実証的な科学」へ急速な発展を遂げる時代を迎えたのかもしれない。
(下図をクリックすると、別ウィンドウに拡大します)
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