2014年8月3日日曜日

症例12 高齢者のかぜ?と思って調べてみたら … 急性白血病の症状  2012年6月16日 記事

120616iin 6月16日(土) 雨

 このところ、空梅雨で連日30℃近くまで気温が上がる晴れの日が続いていましたが、来週は梅雨らしいぐづついた天気になるとの予報です。

 1日のなかでも寒暖の差が激しいため油断したせいか、風邪ひき患者さんがかなり来院されました。寝苦しいからといって、窓を開けたまま寝ないようにしてください。

 今回は症例の報告です。

 関連記事: 症例17 どっと冷や汗(^_^;) … 「熱中症?、めまいと動悸、体調不良」で、外来終了間際に受診 → 後日白血病と判明 
http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/05/post_fca1.html

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 最近、立て続けに高齢の 急性白血病 の患者さんが当院でみつかり、専門病院に紹介しました。

 お二人とも80歳前後、以前大病を患い手術を受けてから10年前後、かかりつけの総合病院にそれぞれ通院され定期的にフォローさていたそうです。

 この春、季節の変わり目に風邪を引いたようで、微熱やだるさ、食欲の低下を自覚したため、病院で風邪薬をもらったものの効果なし。念のためCTによる画像検査を受けたものの、調べた範囲で悪性腫瘍は見つからず。

 では思い切って医者を変えてみようと思って、当院に来院されたということでした。

 数日の経過の風邪症状であれば対症療法のお薬を処方して様子を見ていただきますが、経過が10日以上と長く、高熱が出る、咳や痰などの感染症状がひどい、といった場合には、初診時から積極的に血算とCRP、胸部写真をとらせていただく、というのが小生の方針です(当然と言えば当然ですが…)。

 しかし、中には 「先日検診で検査したばかりなのに…?」 といぶかしげな表情を浮かべる方もいらっしゃいます。

 そういう方には、元気な時と具合が悪いときのデータを比較しないと、病気かどうか判定できないという事を説明して、大概納得していただいています。

 件のお二人にも、お決まりの血算・CRPと胸部写真コースをまず受けていただきました。

 その結果、お一人は貧血と血小板が2万以下、そして白血球が減少していて1000前後(正常は4000~9000)、もうお一人は白血球が4万前後になっていました。

 想定外の結果に少々あわてましたが、血液の病気の診断・治療は小生の手には負えませんので、即日、血液専門医に連絡し入院していただきました。

 後日届いた紹介状の返信には白血球数が減少していた方は骨髄異形成症候群(たとえるとすれば前白血病状態)、もうお一方は急性白血病との診断名が書いてありました。

 急性白血病の症状は肝臓や脾臓、リンパ節が腫れる以外には教科書的には 風邪に似た愁訴 のことが多く、かかりつけ医がみる、なじみの患者さんであれば風邪薬を出して様子を見てもらうことで終わり、発見がしばらく遅れる可能性もあろうかと思います。 

 ”後から診るほど名医” というのは、これまでも医療現場で使い古された警句ですし、過剰な検査による ”検査漬け” の問題は現在も医療財政に悪影響を与えていますが、必要な検査を行わない ”検査抜け” は極力避けたい、と今日も痛感している小生です。
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画像は下記から引用させていただきました。
http://www.webdoctor.ne.jp/cgi-bin/WebObjects/101adef4170.woa/wa/read/10256dfe056/index.html%253Fpast=wdp.html

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