2014年8月2日土曜日

肥満(obesity crisis) その2 ナウル 巨漢たちが住む島国 朝日新聞グローブ平成24年5月6日(日)  2012年5月18日 記事

5月18日(金) 

 2つ目のアップ。

 朝日新聞GLOBEの肥満特集 その2 をアップする準備を今週行っていましたが、どうしても画像がぼけてしまい、どうしたらいいのか試行錯誤を重ねました。

 結局、ボケた画像を左クリックしていただくと、鮮明な画像が別枠でポップアップすることがわかりましたので、さっそくアップしました。

現代日本の国民病にもなりつつある肥満について興味のある方はご覧ください。

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100キロ以上も当たり前、5人に1人が糖尿病

 体重100キロであることが標準だと思ってしまう島国、南太平洋のナウルを今年3月記者が訪ねた。

 ナウルが世界一の肥満国であることを知っているか、街中でであった体重150キロの男性に尋ねると、

「トンガ人のほうがふとっているだろ?」

と笑って深刻に受け止めていない様子。ナウルと同じく南太平洋の島国であるトンガの肥満率は59.6%と3位で、70%以上のナウルには遠く及ばない

 なぜ太っているかと尋ねると男性は以下のように答えた。

 「1日4回は飯を食う。飯を食べて横になって1時間テレビを見たら、また腹が減るんだ」 

 1回に食べる主食のコメはどんぶり2杯分だという  ( ※ 小生注; 相撲取り並ですね )

 ナウルで20世紀初頭に始まった、化学肥料の高品質の原料となるリン鉱石の採掘は欧米で重宝された。1968年の独立後、鉱山の使用権による巨額の収入により1970年代~1980年代に国民一人あたりのGDPが世界でもトップクラスとなり、国民は働く必要がなくなった。

 独立前の食生活は森で採ったマンゴーなどの果物や漁で獲った魚中心の食事で、男性は筋骨隆々、女性はスリムだったことが当時の写真からわかる。

 南太平洋の人々の肥満が急速に進んだ背景には、食事以外にも遺伝や文化(肥満に寛容という価値観)も影響している。

 90年代になりリン鉱石や枯渇し政府は資産運用に失敗し経済破綻を招き、GDPも国民一人あたり2600ドルまで低下し国民生活は貧しくなった。

 しかし一旦慣れてしまった輸入品に頼る食生活と運動不足は変わらず、深刻な健康問題をもたらす肥満だけが残った。 ( ※ 小生注: 岩波新書の 「貧困大国アメリカ」 堤未果 著 にも、アメリカの貧困層は高カロリーのジャンクフードを食べざるを得ず、肥満と貧困の悪循環が指摘されています)

 ナウル共和国の調査によれば人口1万人のうち糖尿病患者は2千人と推定され、成人の2割以上が糖尿病の状態である。また、’07年の調査では 男性の平均寿命 49歳、女性が 55歳だった。小さな島で若くして亡くなった人の葬式をよく見かける、と公衆衛生センターの職員が嘆く。

 なぜ世界一の肥満国家になってしまったのか?ナウル政府やWHOの分析は以下の通り。

「漁業や家庭菜園という伝統的な文化は、西洋の食品を輸入することで大きく変化した。食生活と運動不足が過去30年にわたる西洋からの影響で悪化し、この太平洋地域で最も不健康な状態を生み出した」

政府にも危機感、若者から意識改革

 糖尿病患者の増加による医療費がナウル政府の財政に重くのしかかっている。国が支援して若者のスポーツを支援しているが、糖尿病予防活動に従事する国立公衆衛生センターの職員(医師・栄養士)はわずか20人ほどで国の取り込みの限界が感じられる。

 医療費の3割強はオーストラリアからの支援だがそれにばかり頼っているわけにもいかない。公衆衛生大臣は「外食や加工食品に頼ることしか知らない人の意識を変えなければ」と話す。
取材に応じた航空管制官は110㎏の男性で4年前糖尿病と診断された。彼は語った。

米飯の上に豚か鶏の肉を乗せ、炭酸飲料も一緒にテーブルにのっているものは際限なく食べていた」

最近は魚中心の食事に切り替え、10kg減量できたものの、長年の肥満のつけはなかなか消えないという。

「大きいことはいいことだ」と育った~今も続く肥満との戦い 元・大関 小錦八十吉 談

 両親はサモア出身でお相撲さんのような巨体。子供のころから大きくて強いことはいいことだと思って育った。私はハワイ育ちでナウルとは地理的に近いし体型や食生活も似ている。

 ハワイでは調理はほとんどせず、私は肉食が主でコンビーフの脂をタロイモでこすって食べるのが大好きだった。そのほかイワシの缶詰をスパゲティに混ぜる程度。

 日本人が太らないのはごはん、みそ汁、おかずの組み合わせのおかげだと来日してみてわかった。

 肥満の問題に直面したのは、相撲で右ひざを骨折してから。運動量が半分になったが、食べるのが楽しみで引退後も体重は300kgに増えた。

 体調は徐々に悪化し’08年にハワイで胃をゴルフボールくらいに切って小腸とつなげるバイパス手術をうけ、食欲が減退し一旦は150kgまで減量した。理想は115kgまで体重を減らしたいが、テレビをつけてもグルメ番組ばかりで、体重を維持することが難しく現在は180kgまで増えてしまった…

(下の新聞記事は左クリックすると別枠でシャープな画像をみることが出来ます)

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