2014年8月8日金曜日

『選択肢増えたインフル薬』 朝日新聞平成25年1月8日(火) 医療   2013年1月8日 記事

1月8日(火) 曇り

 仕事始めが大雪にならずにほっとしています。しかし、当院にもインフルエンザ患者が徐々に増えてきました。正月が明けてこれから学校が始まりますが、そうなると爆発的にインフルエンザが増える懸念があります。

 ブログをご覧の方々には、耳にタコ(目にイボ?)ができるくらい繰り返して申し上げていますが、今の季節こそ『マスク・うがい・手洗い』を欠かさずに励行してください。

 朝日の朝刊にタイムリーな記事が載っていましたのでアップします。本当は、ワクチンをうってヨーグルトを食べ、上記のマスク・うがい・手洗いでインフルの予防に徹したほうが体もつらくならなくていいはずですが、かかってしまったら仕方ありません。

 幸い、現代は医療の進歩で4種類の抗インフルエンザ薬が手に入る時代になっています。かかったな、と思ったら最寄りの医院で簡易検査を受け、早めにインフルエンザの治療をお受けください。

※ 当ブログ内関連記事

インフルエンザ 今さら聞けないプラス 朝日新聞 be 平成24年11月17日(土)http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/11/be_7b74.html
がん・細菌…脅威を討て ~ 体の免疫システム・ 乳酸菌 R-1ヨーグルトの話題も 平成24年9月6日(木) 新潟日報朝刊 22面http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/09/22_f9bb.html

「ヨーグルトでインフルエンザ予防」の記事で ヨーグルト売り切れの店が続出!? http://utida-naika.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/02/post_4b6e.html

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130108infludrug選択肢増えたインフル薬   
点滴や1回吸入が登場

インフルエンザの流行が始まった。治療薬は口から飲む「タミフル」や吸い込む「リレンザ」が中心だったが、ここ数年、国内産で点滴薬の「ラピアクタ」や吸入薬の「イナビル」が登場し、選択肢が増えた。上手に使い分けようという試みも進んでいる。

症状・年齢で使い分け

 「1回の点滴で済んだ。働く母親としてはありがたかった」

 川崎市の47歳の女性会社員の9歳の息子は2009年10月、ラピアクタを初めて使った。

 強烈な吐き気。呼吸は浅く、何も飲み込むことができなかった。近くの廣津医院を受診し、当時はまだ臨床試験(治験)の段階にあったラピアクタを使った。15分間の点滴注射を受け、都内の病院に5日間入院し回復した。

 もともと喘息気味で強い吐き気も出やすいので従来の口から飲み込むタイプや吸い込むタイプを使えなかった。今もインフルエンザにかかると、2010年に発売されたラピアクタを選ぶ。

 点滴注射で済むため、幼児や高齢者でほかの薬だと十分に体内に入れられない可能性があったり、重症で人工呼吸器を着けていたりする場合に使われる傾向にある。

 廣津伸夫院長は

 「確実に薬が全身に回るので、重症の肺炎を食い止めるのにも有効だ」

 と話す。

 日本感染症学会の提言では、肺炎などを伴う重症例にはラピアクタかタミフルの使用が勧められている。口から吸いこむタイプのイナビルとリレンザでは、吸入がうまくできないと効果が薄れる恐れがある。

 ラピアクタと同じく2010年に発売されたイナビルは1回の吸入で済み、薬の使い忘れを防げるメリットがある。ただ、吸入に失敗すると十分な効果が得られない。リレンザは1日2回、5日間吸入するため、その点での効果は得やすい。

 4薬とも、細胞から放出されたウイルスが全身に広がるのを防ぐ。熱を早く下げるなどの効果があるが、発症して48時間以内に服用する必要がある。それぞれに下痢や吐き気などの副作用が出ることもある。

 解熱効果の比較は、日本臨床内科医会のインフルエンザ研究班が調査を続けている。昨シーズン(2011~2012年)はA型(H3N2)261例の平均解熱時間は、27~28時間と4薬とも大差なかった。B型81例ではタミフル、イナビルは37~38時間であったのに対し、リレンザは31時間とやや早い傾向にあった。

 研究班顧問の池松秀之 九州大特任教授は

 「解熱効果に大きな差はない。使い方に違いがあり、どの薬が最も適しているのか、医師とよく相談して選んでほしい」

と話す。

集団感染予防に期待

 抗インフル薬は治療だけでなく、インフルの集団感染への予防にも期待されている。

 日本感染症学会は、2012年8月、病院内や高齢者施設内での感染拡大を食い止めるため、積極的に薬を使うように勧める提言をまとめた。

 高齢者施設ではインフルとみられる患者が2~3日以内に2人以上出て、うち1人でも陽性と判断されたら、フロア全体の入所者が抗インフル薬を服用することを検討する。予防薬としては、タミフルとリレンザが承認され、イナビルも申請中だ。

 提言をまとめたけいゆう病院(神奈川)の菅谷憲夫医師は話す。

 「重症化して死亡する可能性が高い高齢者を守るためには、副作用を心配するより、薬を飲む方がいい」

 これまでは副作用などが心配され、予防で使うことは少なかった。新型インフル対策でも、治療と予防での使用が計画されている。

 富山化学工業(東京)は、前述の4薬とは異なる仕組みの新薬「T-705」の承認を申請中だ。細胞内でのウイルス増殖を抑え、感染から時間がたってからでも効果を発揮すると期待されているという。

 一方で薬が効きにくい「耐性ウイルス」の出現が心配されている。2008~2009年にはタミフル耐性を持ったウイルス(H1N1)が世界的に流行した。

 防衛医大の川名明彦教授(感染症・呼吸器)は

 「治療薬が増えれば、特定の薬への耐性ウイルスが広がっても、治療法の選択肢が残り対応できる」

 と話している。                         (森本未紀、武田耕太)

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