生活習慣病で体重をなかなか減らせない患者さんの中には”私は水を飲んでも太る体質”とおっしゃる方が時々いらっしゃいます。
確かに肝臓、心臓、腎臓の病気でむくんで体重が増えることはありますが、ちょっと待ってください。
人間は体内に葉緑素を持っていないので、水と光と二酸化炭素で光合成はできません。我々太めの人々の体重が落ちないのは、食事量が運動量を上回るからです。
それに40歳を過ぎて体の成長に使われるエネルギーはほとんどないため、中年に差し掛かり、若い頃と同じような食事を摂っていると、どんどん脂肪として内臓に蓄積されていきます。その結果が”たいこ腹”や”ビール腹”というわけです。
しかし食べすぎが肥満の原因というのはわかっていても、過食を改めるのは禁煙と同じく簡単ではありません。現代は、いろいろなダイエット法が提唱され、百家争鳴の観を呈しています。
そんな中で私が注目したのは”レコーディングダイエット”でした。
「いつまでもデブと思うなよ」新潮新書
オタクの重鎮、岡田斗司夫氏の著作でなんともストレートな題名です。100㎏を超す巨漢が1年で50㎏ダイエットした、その方法が書いてあります。
単に飲み喰いした物の名前とカロリーを時間ごとに記録するだけ、と何とも地味な方法です。
小生には岡田氏のようにおやつで食べた”ポテチ1枚”を記録することはできませんでしたが、ここ3年ほど、朝昼晩の食事の献立とカロリーの概算を毎日の歩数と一緒にエクセルに記録しています。
最初は本を調べながらつけていたカロリーですが、今は大体100kcal毎、見た目でおおざっぱに記入しています。そんないい加減なやり方でも、飲み会で大食いしたときや、悪天候で散歩しなかった時などを後で見直し、反省するときには役に立っています。
食事も運動も自分が主体的に調節しているという自覚が、健康管理には大切だと実感しました。
食べたものをいちいち記録するなんて、なんだか面倒くさいと感じますが、急がば回れ、地味な方法が一番効果的なのかもしれません。
いろいろなダイエット法を試してみた方にも、原点に回帰するという意味でご一読いただきたいと思います。
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