2014年7月30日水曜日

かといって高齢女性の腹痛も油断が出来ない: 閉鎖孔ヘルニアという病気  2011年10月9日 記事


111010coco111010neko_2 10月9日(日)

 今朝は冷え込み、10度以下になります。
 不惑を超えると代謝が落ちて、寒がりになりました。長袖シャツを着て毛布2枚を追加して寝ています。

 朝は小春日和で、猫君は日向ぼっこ、うちのココアもお日様が大好きなのでうれしそうでした。



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 さて、先日は若い女性の急性の腹痛は一筋縄ではいかないという記事を載せました。



 では高齢女性の急性腹症は簡単かというと、やはり診断に苦慮することがあります。

 うちのおばあちゃんが、”はっきりした腹痛も無くどこがどうというわけではないが、嘔吐して元気がなく、ぐったりしている…

 そのような症状の際、高齢者の場合はまず癌を疑い精査を行いますが、一見消化器系や婦人科系に異常がないこともあります。

111010heisakoそんなときに知っていなければならない(医者の立場として)病気があります。
 耳慣れない病気かもしれませんが、「閉鎖孔ヘルニア」 という病気をご存知でしょうか。

 おなかの内臓を入れる役割の骨盤の底の筋肉の隙間から腸がはみ出てしまう病気ですが、血行障害がおきて腸が腐ってしまうこともあります。

 高齢の女性に多く、診断の要は、まずこの病気を疑うこと、次いで腹部~骨盤腔CTを撮ってみることに尽きます。

 小生の経験では、郡部の、平均年齢の高い地区で遭遇することが多く、以前病院勤務の際、一日に2人の患者さんが閉鎖孔ヘルニアで消化器内科を受診し、即日外科で立て続けに手術を受けるという事態に遭遇したことがありました。

 なんだか原因がはっきりしないけれど、もやもやした腹痛・嘔吐をきたして具合が悪そうな高齢女性をみたら、骨盤腔までのCTを撮って 「閉鎖孔ヘルニア」 を調べなければなりません。

 また、CT設備をもつ医療機関の Dr諸氏、「閉鎖孔ヘルニア」 をお忘れなく。よろしくお願いいたします。

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